妻との関係を良好にするには
生きる張りあいを取り戻せない
【お悩み】:私は現在65歳で、一人暮らしをしています。
かつては、ある会社の経理を任され、仕事に生きがいを感じていました。
その間には、会社の 妻子ある上司と恋愛をし、奥さんに分からないように関係を続けていました。
私は三人姉妹の長女で、妹たちは家庭を持っているため、離れて暮らしている両親の面倒は私が見る形となりました。
その頃、奥さんと離婚する気のない上司に対して、不満を持つことはあっても、独身の気楽さが手伝ってオシャレや旅行を楽しみ、それなりに充実していました。
また当時、学校時代の友人たちはほとんど結婚し、生活に疲れているようすを見るにつけ、私はこれでいいのだ、と自分を納得させていました。
ところが、このまま続くと思っていた上司との関係は、思いもかけない奥さんの病気で、上司から〝別れ〟を告げられてしまったのです。
私はやりきれない気持ちの整理をつけるため退社し、心身を休めたあと、ある会社の女子寮の寮母として住み込みました。
しかし、現実は厳しいもので、自由奔放な若い女の子たちに合わせられず、辞めることを決心しました。
今は両親も亡くなり、何とか生活できていますが、子どももなく生きる張りあいもない日々を過ごしています。
【アドバイス】:与える喜びに生きがいを見出す
今のあなたのお気持ちは痛いほど理解できます。季節に春夏秋冬があるように人生の四季は
避けて通れないものですね。
一生懸命働き、人を傷つけたかもしれない恋愛をし、ご両親を看取り……。
今のあなたは、季節でいえば秋を迎えたといえるのでしょうか。
私は、今のあなたの幸せは、何よりも健康であることだと思います。たくさんの夢や希望を
持ちながらも病の床に伏してる人もいます。
サミュエル・ウルマンが80歳の時の詩に、「青春の賦」があります。
「若さとは人生のある時期のことではなく、こころのあり方のことだ。
(略)人は歳月を重ねたから老いるのではない。理想を失うときに老いるのである」
ご両親のことがあったとはいえ、今までのあなたは、自分自身のためにだけに生きてきた人生といえるのではないでしょうか。
これからの人生は、与えられる喜びとともに、他のものに奉仕し、与える喜びに生きがいを
見出すことも一つの生き方ではないでしょうか。
幸いなことにあなたには健康という大きな宝があります。
それと、人生をゆたかに生きるためには、ゆたかな人間関係をもてるか否かが鍵となります。
ゆたかな人生をともにおくる仲間を探すのは今からでもけっして遅くはありません。
たとえば、スコーレの共同学習のなかでは、若いお母さんたちが心おきなく学習を受けられるように母親講座・セミナーで保育をお手伝いするというようなささやかですが、大切な活動もあります。
共同学習の良さは、さまざまな人との出会いの中で、支え、支えられる体験を通し、生きる充実感を感じることにあります。
勇気を出して、まず一歩を踏み出してみましょう。
【月刊「すこ~れ」 294号 〔すこ~れ相談室〕より】