自分の将来が見えない
同居の娘が無気力
【お悩み】:私は58歳の主婦で、夫は60歳です。
夫はバブル景気の時、急成長した印刷会社に勤めていましたが、バブルの崩壊とともに5年前、リストラで退職しました。
幸い、親から譲り受けた不動産があり、マンションや駐車場の賃貸料で生活の心配はなく暮らしております。
ただ、7年前に商家の長男に嫁いだ、35歳の長女のことで大変悩んでいます。
長女は結婚して先方の両親と同居したのですが、環境や家風の違いがプレッシャーとなり、
精神的にも肉体的にもダメージが大きく、私は見るに見かねて、休養と称して、ご両親の許可を得て、娘をわが家に連れて帰り、食事や身の回りの一切を私が世話をしました。
婿は平日、実家から会社に通い、週末はわが家に来ていましたが、そのパターンが1年、2年と続いてしまい、婿は通勤距離が遠くて大変なため、平日も泊まる回数が徐々に増え、今ではわが家で同居状態になっています。
でも、数ヶ月前から先方の両親が体調を崩しており、婿は実家に顔を出して、わが家に帰ってきます。
娘は今、妊娠しており、年末には母親になろうとしています。
しかし、炊事や洗濯、掃除等をするでもなく、ノンビリと過ごしている姿を見ると、怒りとも悲しみともつかぬ、やり切れない気持ちが募ってきます。
最近では眠れない夜もあります。
もうすぐ母親になる娘と、私はこの先どのように関わったらよいのでしょうか?心は暗く沈むばかりです。
よきアドバイスをお願いします。
【アドバイス】:突き放すのも愛情
あなたが親心として娘さんを案じる気持ちはよく分かりますが、果たしてその情の深さが、本当に娘さんのためになっているのでしょうか?
親は子どもが成長して大人になっても、常に親であり、いくつになっても、子どものことを心配し、苦労させられるものです。
あなたが一番心得なければならないのは、娘さんは結婚した時点で、親から独立して、相手の男性を人生のパートナーにしたことです。
そして、親以上の強い絆が夫との間に出来たのです。従って、娘さんが先方の家で何があっても、あなたの家とは直接の関わりはありません。
厳しい言い方ですが、それが本来の原則なのです。
実際にはそうもいかないでしょうが、その原則を踏まえつつ、お互いが協力できることがあれば手を貸してあげるのです。
結婚した夫婦は、長い人生の中で失敗や苦労を共有し、時には愛情の危機をも味わいながら力を合わせて乗り越えていくことが課せられています。
あなたの娘さんへの愛情のかけ方は、娘さんの自立を拒む過保護な関わり方です。
これではいつまでたっても、一人前の奥さん、あるいは母親にはなれません。
若いカップルを信じて、一度、突き放してごらんなさい。
厳しく接することも愛情なのです。
【月刊「すこ~れ」 217号 〔すこ~れ相談室〕より】