友だちを叩く一人っ子の2歳娘
妊娠も報告できないほど母が怖い
【お悩み】:私は三十四歳の主婦です。夫と五歳三歳の子供の四人家族です。
母は私が中学一年の時に離婚し、看護師をしながら私と妹を育ててくれました。
母はとても厳しく、私は母に褒められた記憶がありません。
また、女性も手に職をつけるべきだという考えが強く、私は家を出たい、母から離れたい一心で上京し、美容学校に入学。
その後美容師となって夫と知り合い、結婚しました。
その時も母は「あんな男」といって大反対したのです。
妊娠すると「中絶しなさい」と反対され、今も三人目を妊娠中ですが、怖くて言い出せません。
いつも母の存在を恐れている自分が情けなく、どうしたらこのような気持ちから抜け出せるのでしょうか。
(神奈川県横浜市・T)
【アドバイス】:何かにつけてお母さんが気になるということは、あなた自身は意識していないかもしれませんが、本当は潜在意識の中でお母さんが好きで、お母さんに認めて欲しい、褒めて欲しいと思っているのではないでしょうか。
もしあなたが親不孝なら、お母さんのことは気にせず自分のしたいようにできたはずです。
女手ひとつで二人の子供を育て、自宅通学ではない専門学校にまで進ませるのは、
経済的にも並大抵のことではなかったと思います。
母親としては手元におきたかったかもしれないのに、あなたの上京を認めてくれたのです。
二人の娘のために、生活を切り詰め必死で仕送りをされていたのでしょう。
その上、看護師という気の抜けない日々の中で、どうしてもわが子には厳しくなってしまったのではないでしょうか。
自身が夫で苦労し、離婚という選択をせざるを得なかったため、娘には結婚で苦労させたくないという気持ちから、相手に厳しくなったのではと思われます。
お母さん自身、褒められず、認められずに育てられたのかもしれません。
ずっと突っ張って生きて来ざるを得なかったお母さんも年を重ね、ひとり暮らしの身です。
あなたへのきつい口調は、自分も娘に認めて欲しいとアピールしているのかもしれませんよ。
お母さんを恐れるのではなく、今までお母さんにしてもらったことを思い出し、書き出してみてください。
きっと忘れていたこともたくさんあるでしょう。
お母さんの強い口調も元気な証拠ととらえ、共感し、感謝の気持ちを表現してみましょう。
言葉が難しかったら、葉書を出してみるのもいいですね。
今、あなたが心にかけなくてはいけないのは、一家の柱であるご主人のことです。
家族にとって居心地のよい雰囲気づくりを心がけ、お互いを支えあうしっかりとした家庭の土台を作りあげることです。
そのために心を豊かに耕し、内面のレベルを高める学習に取り組み、自分の生き方に自信をつけることが必要です。
お母さんから逃げようとする受け身の姿勢ではなく、あなたから働きかけてみましょう。
お母さんへの感謝の心は忘れず、しかし家庭内で大切なことはご夫婦で決めることです。
【月刊「すこ~れ」 331号 〔すこ~れ相談室〕より】