長男の吃音(どもり)に悩む
息子夫婦の危機に親ができることは
【お悩み】:私は62歳の専業主婦で、夫と二人暮らしです。息子は35歳、嫁は34歳で、6歳と5歳の子供がいます。
嫁は出産まで生命保険会社の総合職として働き、息子がどんなに疲れていようと家事は折半だったそうです。
出産後、家庭に入ってからもその生活形態はあまり変わらないとのこと。
共働きの家庭に育った彼女にとって、それは当たり前のことだったと後で聞きました。
子供の教育にも熱心で、何事にも白黒はっきりつける性格も見受けられました。
私とは表立ったトラブルもなく、良い関係と思っています。
先日用事があって彼女に電話をしたところ、元気がなく、気になって問いただしたところ、息子の帰りが遅く、時には帰らない日もあるというのです。
息子は彼女に「母親としては良いが、妻・女性としては一緒に歩んでいくのがしんどくなった」と言ったそうです。
「あなたの切ない気持ちはよく分かる。私はあなたの味方よ」という言葉がとっさに出てきましたが、息子は癒しのない家庭に淋しさを感じていたのではと思いました。
この危うさの中にいる息子夫婦に、親として何かできないものかと悩んでおります。
【アドバイス】:二人の潤滑油になる
お嫁さんが決定的に悪いわけでもなく、それなりに一生懸命なのを知っているだけに、あなたもお辛いでしょうね。
ご夫婦はいま、結婚生活の第2ラウンドに入り、本当の夫婦になるための試練の時期なのです。
母親の要素が強くなった妻に、息子さんは淋しさと息苦しさを感じているのでしょう。
ただ、姑であるあなたが、事を大きくしなかったのは賢明です。
まわりが大騒ぎしてのっぴきならない事態になるケースもあるからです。
彼女もまた、自分の母親に話すと夫が責められると分かっているので、相談しないでいるということからも、何とか結婚生活を持続させたいと願っているのが分かります。
正しければ良いというものでもないのが夫婦の関係です。
幸い、お嫁さんはあなたを嫌っていないようですので、折を見て、結婚生活の体験をご自身の失敗談などを交えて話してみてはいかがでしょう。
未熟な若い夫婦が成熟していくためには、ひと山もふた山も越えていかなければなりません。
あなたはそれぞれの言い分に共感し、潤滑油になることを心がけると良いと思います。
あなたはこのような学習に関わっているわけですから、押しつけがましくならない程度に、若いお母さんたちの学習会などに誘ってみたり、月刊誌をそっと渡してみてはいかがでしょう。
母親といえども、できることは限られます。
あなたは自身の資質を高め、人生の良き先輩となれるよう学習を深めていかれることが大切です。
母として、妻として良きお手本になれる生き方を心がけ、息子さんご夫婦を温かく見守り、
そして、あなたとご主人が仲良く寄り添って歩んでいく姿を心がけてください。
【月刊「すこ~れ」 344号 〔すこ~れ相談室〕より】