2020.06.30 生活アドバイス | メディア情報 | 子育ての悩み

長男と二男を仲よくさせたい

【お悩み】:私は五十二歳で、長男二十七歳、二男二十五歳、三男二十二歳の三人の息子の母です。

昨年末に夫をガンで亡くしました。

夫は転勤族で、子供たちが小さい頃は家族と共に引越しをしていましたが、十年ほど前に富山市内に家を建て、子供たちが中学や高校にあがると、夫は単身で異動することになりました。

二年半前にガンが見つかり、手術をしたものの再発してまた入院。

最後の一年間は家で看(み)ることにし、病気の辛さと向き合いながら家族とのかかわりを深めました。

ベッドに横たわるだけの夫は、今までの時を埋(う)めるかのように私たちとの会話を楽しみ、絆(きずな)を強くしていきました。

夫亡き後も長男は私を支えてくれ、家族の中心として頼りがいのある子に成長しました。

問題は二男です。以前から長男とは仲が悪かったのですが、私のことを思って長男が家のことを頼んでも、「兄貴(あにき)には言われたくない」とまったく耳を貸しません。

現在、二男は県外で就職しているので、長男とぶつかることも少ないのですが、私もずっと生きていられるわけではありません。

なんとか兄弟仲よくしてほしいのです。

どのように二人の距離を近づけたらよいでしょうか?

(富山市  T・M)

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二男の長所を評価し、さりげなく伝える

【アドバイス】:一家の大黒柱を亡くされたご家族のしみや寂しさは計り知れません。

家族そろってたびたびの転勤、ご主人に心を合わせ、三人の男の子を連れて頑張ってこられたあなたの姿がうかがえます。

しかし、今回のご相談は、親の思いで一方的に二男を〝問題の子〟としていることが、実は問題のような気がします。

事の是非を判断する前に、二男の気持ちやおかれた境遇をどこまで思いやれるかが求められます。

とかく長男が自分よりも親に期待され、優遇され、評価されて、ずっとつらい思いを胸に秘めていたのかもしれません。

あるいは、長男に対して、何らかのコンプレックスを抱いていることも考えられます。

今までの子育てを振り返って、いかがでしたでしょうか?

二男の幼い頃、引越しや長男、三男とのかかわりの中で、寂しい思いや我慢をさせていたことはありませんでしたか?

長男と比較して評価するのではなく、二男の長所そのものを評価してあげることです。

二男の長所を容姿(容貌)・性格・能力の三つの視点で、一日に三つ考えて一週間書き出し、何回か読み直すと、気づくことがあるはずです。

そして、〝これ〟と思う二男の長所を、電話での話の中でさりげなく伝え、また、手紙の文面にそっと書いてあげることです。

子供たちの結婚や孫の誕生、夫婦で過ごす老後の計画など、楽しみにしていたことは数え切れないでしょう。

ご主人も同じ思いであったことに共感し、ご主人のご遺志として、三人のお子さんそれぞれに「こうなってほしい」というあなたの思いを話されてはいかがでしょうか?

そして、二男に対する長男の思いをあなたがうまく伝えながら、気持ちをつないでいくように努めてください。

【月刊「すこ~れ」 351号 〔すこ~れ相談室〕より】