高2の息子の暴言
夫にガンの告知があり、不安でいっぱい
【お悩み】:私は五十八歳で、週に三日ほど、飲食店で下ごしらえをするパートに出ております。
三人の息子たちも独立し、社会人として会社に勤めたり、自営業に精を出したりと順調です。
夫は六十四歳で自営業を営み、最近まで仕事に追われる多用な毎日を送っていました。
ところが一ヵ月前、市の定期健診で夫の胃に異常が見つかり、詳しく調べたところ、悪性の進行性ガンが見つかりました。
胃のほかにも転移があり、手術してもすべてを取り除くのは難しいと医師から宣告されました。
まさに青天の霹(へき)靂(れき)、私たちは突然の事態に戸惑いました。
現在夫は入院して、転移したガンに対して化学療法を行なっています。その効果や結果をみて、手術をするとのこと。
「今は誰にでもかかる病気だし、医学の進歩で治る率も上がっている。また元気に仕事ができるように頑張るよ」と夫は明るく言います。
身内にこのような病気にかかった者もおらず、私は不安でいっぱいです。妻として、今後どのような心構えで夫を支えていったらよいのか、アドバイスをお願いいたします。
(岐阜市・M子)
ご主人が治療に専念できる環境づくりを
【アドバイス】:突然ご主人がガンを宣告され、日々ご心配のことと思います。
当のご主人も気丈夫にふるまっておられるようですが、一家の長として胸中いかばかりか、察するに余りあります。
今、日本ではガンを患っている方が非常に多くおられ、完治にいたる方も大勢おられます。
とは言え、正面切って告知されれば、決してよい気持ちではありません。
ましてや、進行性のガンとなると心穏やかではいられないでしょう。
しかし、「これを機に今後の闘病計画を立て、人生設計を考え直す時間が与えられた」と考え直してみてはいかがでしょうか?
ご主人を支えるのは、あなたをはじめ、三人の息子さんです。
家族全員が一丸となって精神的・経済的支援の統一した意識を持ち、ご主人が安心して治療に専念できる環境づくりを心がける必要があります。
どんな環境や条件、変化が訪れても、あなた自身が前向きに生きている限り、ご主人も病気に立ち向かう気力が生まれるのではないでしょうか。
パートナーとしてご主人を思いやり、いつも感謝の気持ちを持って明るく朗らかに接することで、お互いの生命を支え合うことができます。
ただし、必要以上に世話を焼いたり、哀れんだりせず、いつものように接することも大切です。
また、よい治療効果を得るためには、医師との信頼関係が重要です。医師の言われることを素直に聞き、化学療法の効果を信じましょう。
投薬に疑問やわからないことがあったら遠慮なく質問し、入院生活で改善が必要と思われることも、どんどん相談してください。
看病なさるあなたが明るく元気で過ごされますよう、ご自身の健康にもご留意ください。
【月刊「すこ~れ」 361号 〔すこ~れ相談室〕より】