四歳の一人息子が言うことを聞かない
突然、暴言を吐くようになった長男
【お悩み】:私は四十二歳の主婦です。夫は四十五歳の会社員。仕事人間で真面目に残業も頑張ってくれています。子供は中学二年生の長男と、下に小学生の長女と次女がいます。
結婚当初より、夫からは家のこと、子供のことはすべて任されています。
相談したいのは、長男のことです。小さい頃から私の言うことはよく聞くいい子で、成績は中の上位、クラスでも皆から信頼されていると思っていました。
ところが二ヵ月ほど前、突然暴言を吐くようになりました。
「うるせー、ババァ、ゴチャゴチャ言うな」と怒鳴ってきたのが始まりです。
それからは、学校をたびたび休むようになり、このごろは物を壊したり、時には私や夫に手を上げるようになってしまいました。
本人は「学校で友達とケンカして、気分がムシャクシャしている」と言いますが、それだけでこんなに変わってしまうものでしょうか。
どうしたらよいかわからず、困っています。
(長野市・M代)
父親を家庭のリーダーに据(す)える
【アドバイス】:やさしかった自慢のご長男の突然の豹変にさぞ驚かれ、戸惑われたことでしょう。
あなたが母親としてよく自覚しなければならないことは、子供が両親に暴言を吐いたり、暴力を振るうというのは、子供自身が心理的にかなり追い詰められているということです。
ご長男の場合、その引き金が友達とのケンカだったのでしょう。
〝私の言うことをよく聞くいい子〟とは、通常、親にとって都合のいい子と思われます。
仕事に専念するご主人から子育てのすべてを任された責任感から、ご長男にアレコレと指示をしたり、禁止して育ててきませんでしたか?
中学二年生にまで成長したご長男に、小学生に物を言うような接し方をしていませんか?
本来、親子はタテの関係ですが、子供の成長に応じて、子供の言い分に耳を傾(かたむ)け、子供の意志を尊重することが大切です。
この点を反省し、対応を変えていくことです。
次に、子供が中学生になると、もうお母さんだけの力では対応できない年齢です。これを機にご主人にお願いし、父親としてしっかりとご長男に向き合ってもらいましょう。
まずは、ご主人に対して朝の挨拶や出社する時の見送り、帰宅した時の出迎えなど、心を込めて笑顔で努めることです。
ご長男の様子をさりげなく伝え、ご長男の要求はご主人の判断に委(ゆだ)ねましょう。
ご主人を家庭のリーダーに据え、あなたはご主人とご長男の心のかけ橋の役を果たすことが大切です。
ご長男は親から自立する道を歩み始めている大切な時期です。夫婦の絆を強め、親子の絆を深めていきましょう。
【月刊「すこ~れ」 369号 〔すこ~れ相談室〕より】