最高の笑顔美人で、家族を温かく包む ~小川健次の子育てセミナー⑥
社会性を育てる「規範の愛」 ~小川健次の子育てセミナー⑧~
昔から“子は親の鏡” ・・・苫小牧民報/千歳民報 2015年11月5日(木)掲載
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社会性を育てる「規範の愛」
今から10数年前、ある若いお母さんから、「小学3年の息子は成績が悪く、靴の脱ぎ方もバラバラです。どうしたら直せますか?」と質問されました。「成績がよくなくても、自分の靴を出船スタイルに揃えて脱げる子は、将来、必ず社会に役立つ人になります」とお話しした私の講座を聞いて、わが子を何とかしたいと思われたそうです。
「今日から、お子さんには靴のことを何も言わないで、あなたが黙って揃えればよいのです。子どもは案外、親の見えない所でキチンとやっているものですよ」と答えました。それ以来、彼女は毎日、子どもには小言を一切言わず、靴を揃え続けたのでした。
数年経ったある日、そのお母さんから喜びあふれる手紙をいただきました。「担任の先生から、『お宅のお子さんは、学校のトイレのスリッパをよく揃えてくれています』とほめられました。この子が中学生になったとき、家族の靴が乱れていたら、自分から揃えるようになったのです。さらに、苦手な勉強にも努力を重ねて、成績が上がりました」。
昔から“子は親の鏡”
昔から“子は親の鏡”と言われるように、子どもは親の姿を見て習慣を身につけていくものです。果たして、私たち親自身が日常生活の中で、子どもの手本となるマナーを身につけているでしょうか?
朝、子どもと顔を合わせたら、親が最高の微笑みを添えて「おはよう!」と挨拶し、「お母(父)さん」と呼ばれたら、「ハイ」と返事するのです。マナーの基本は挨拶であり、最高の返事は「ハイ」。上下に関係なく、気づいた人からするのが基本です。
家族間で挨拶などは堅苦しい、という声も聞きますが、“親しき仲にも礼儀あり”。家族だからこそ最低のマナーが必要なのです。挨拶やルールなどの社会性を子どもに身につけさせる「規範の愛」を、親が与えていくのです。わが子に強要せず、親が自分の生きる姿勢として、実行すればよいのです。子どもは親の姿をソックリ真似る存在なのですから。
小川健次(おがわ・けんじ)
1952年、常呂郡留辺蘂(るべしべ)町(現北見市)生まれ。68年から22年間、苫小牧に在住し、製紙機械の組み立て・修理や電気工事などに従事した。現在、神奈川県相模原市に本部を置く公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会の理事・教育開発局長。生涯学習プログラムの開発、講師、カウンセラーなどを務める。子どもは社会人の一男(31歳)、二女(29歳と26歳)。