「夫の転勤」に拒否反応が出てしまう
最高の笑顔美人で、家族を温かく包む ~小川健次の子育てセミナー⑥
お母さんは家庭の太陽 ・・・苫小牧民報/千歳民報 2015年9月3日(木)掲載
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最高の笑顔美人で、家庭を温かく包む
今から40数年前。私は苫小牧のある会社に勤め、吹奏楽部でチューバを吹いていました。ある年の市民吹奏楽祭で、大失態を演じてしまいました。
練習不足だった私は、演奏中に不安が脳裏をかすめます。2曲目の途中、指揮者とのマンツーマンの独奏が始まりました。しかし、低音から高音に上がる時に音を外して気が動転し、目の前は真っ暗闇。その後も音を外し、会場は爆笑の渦に包まれたのです。私は演奏を放棄し、指揮者だけがタクトを振り続け、再び皆が楽器を手にして演奏を終えました。
夕食会では、私のせいで赤恥をかいた団員は誰一人として口を開かず、私は冷たい視線を浴びていました。長い沈黙を破り、私の肩をポンとたたいて、「気にするな」と満面の微笑で声を掛けてくれた人がいました。後に日胆地区吹奏楽連盟理事長を歴任された故・和美幸男マネジャーでした。絶望の深淵から立ち直らせてくれた氏の一言と笑顔は、今でも私の心の中に生き続けています。
お母さんは家庭の太陽
“お母さんは家庭の太陽”と言われるように、お母さんの微笑や笑いこそ、家族にとっては心のエネルギー源となります。
鏡を使ってのスマイル・トレーニングをお勧めします。
両手の人差し指で上唇と下唇の口角を斜め上に上げ、白い歯を見せるのがこつ。15~30秒間そのまま維持して、5秒休む。これを4回以上繰り返すのです。これによって、口の周りの何種類かの筋肉が動き、胸腺や脾臓(ひぞう)に働き掛け免疫力や自然治癒力を高めるのです。
また、鏡を見て、口の周りの筋肉を意識しながら、ゆっくりと「イー」「エー」「アー」「オー」「ウー」と発声する方法もあります。さらに、「ハヒフヘホ」の発声や、「ウィスキー」「キウイ」の言葉を声に出して言うことも有効です。
最高の家庭教育とは、お母さんが家族の誰よりも早く起きて身支度を整え、お化粧をして、起きてきた家族一人ひとりに、最高の微笑で「おはよう」と爽やかにあいさつすることなのです。
小川健次(おがわ・けんじ)
1952年、常呂郡留辺蘂(るべしべ)町(現北見市)生まれ。68年から22年間、苫小牧に在住し、製紙機械の組み立て・修理や電気工事などに従事した。現在、神奈川県相模原市に本部を置く公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会の理事・教育開発局長。生涯学習プログラムの開発、講師、カウンセラーなどを務める。子どもは社会人の一男(31歳)、二女(29歳と26歳)。