父親の目を意識する長男
育児に自信が持てず仕事に出たい
【お悩み】: 私は39歳の主婦です。
夫39歳会社員、小学校1年の長女、次女2歳の4人家族です。
このたび夫の転勤で、住みなれたところから転居し半年になりました。
私は小学校5年の時、父を事故で亡くし、母はひとりで長女の私と妹弟を育ててくれました。
それは、母は自分の置かれた立場から、女性でも一生仕事ができることを希望していました。
ですから私は、ここに越してくるまで、3人の子どもを保育所に預け、働いていたのです。
この半年間、子どもと向き合う生活をしてきましたが、育児に不安がつのり、暗い心になる毎日です。
何をするにものろく、学校でのこともまったく話をしてくれない長女。
2歳の次女は、公園などに行っても子ども同士仲良くできず、相手の子にすぐに手を出す始末。
ご近所付き合いもなく、外に出れば謝ることばかりでどうしてよいかわかりません。
私がイライラして、子育てするより、育児のベテランに預け、私は仕事を持って働いたほうが、子どもたちも幸せだと思うのです。
先日、スコーレの母親講座を受講し、私の心は、子育てか仕事か迷っています。
【アドバイス】:今は家庭生活の充実に努める時期
今まで夫の協力により、家事と仕事に忙しく追われていたあなたが、なれない土地で子どもと
向き合いながら思うようにいかず、自分ひとりの肩にかかる重さと不安で悩むのはよくわかりますが、あなたの心の中は、
子育てより仕事がしたい、働きたいという気持ちの方が強いのではないでしょうか。
あなたのお母様の生活姿勢はすごいと思いますが、お母様は働かざるを得ない状況だったのではないですか。
しかし、今のあなたの立場はどうでしょうか。
やさしく真面目で働き者のご主人、あなたが外で働かなくても生活が成り立つ中で、今働くことはいかがなものでしょうか。
子どもにとって母親の愛情が一番大切な時期です。
お母さんのやさしい笑顔、肯定的なことば、抱きしめ触れるスキンシップなどによって、子どものエネルギーは強まります。
あなたのお子さんの行動は、今までのお母さんの愛情不足をメッセージとして発信しているのです。
子どもを育てることは、どんな仕事とも比較することはできない、親としての大事業なのです。
どんなに保育のプロに委ねても、自分を産んだ母親にかなう愛はありません。
自分の子どもは自分の手で十分な愛情を注いで育てることが、母親として最小限の務めです。
今育児に手を抜いた分、後で大きな問題が生じることになるのです。
寿命ものびている今日、時期が来れば働きに出ることも可能です。
人生それぞれの時期に、何が大切なのかみきわめることが大切です。
今は子どもたちの幸せ、性格の良い子に育てるために、家庭生活の充実に目を向けていってほしいものです。
【月刊「すこ~れ」 279号 〔すこ~れ相談室〕より】