隣の子に手を焼く
中学生の長男の言動が気になる
【お悩み】:私は40歳の主婦、夫は商社マンで42歳。
海外に単身赴任中で、長男は中学2年、次男は小学6年です。
長男の事が気になっています。
長男は中高一貫教育の私立の進学校に通っておりますが、最近ベランダにすわりこんでいたり、「ここからとびおりて死にたい」と口走ったりします。
外出から帰ると手が真っ赤になるまで洗っています。
長男は小学校時代は礼儀正しく、成績もよく素直で、自慢の息子でした。
夫は、長男が小学五年の時海外赴任し、年に1,2度帰国します。
夫とはメール等でコミュニケーションをとってはおりますが、気に入らないと私はストレートに夫を批判します。
また、夫の親である姑をどうしても好きになれません。
私は子どもの前でも夫や姑の悪口を言いますし、長男には、毎日のように傷つく言葉を吐いてしまっています。
私は3人姉妹の次女として生まれ、厳しい親の元で、出来の良い姉に比較され、劣等感を感じながら成長しました。
夫とは見合い結婚で、出身大学、会社に将来の幸せが約束されている気がして結婚しました。
ところが幸せと思っていた生活も、気がつくと長男の言葉に不安を感じ、帰国した夫は事情を聞いても「今は精神的に不安定な時期だから……」と言って真剣に向き合ってくれません。
そんな夫の態度に腹が立ち、折角帰国したのにと思いながらも、夫を責めてしまいます。
【アドバイス】:あなた自身の日常の見直しから
さまざまな責任があなたの肩にかかってきている日々は、さぞかしと推察致しますが、いま、まさしくお子さんは両親にサインを出していると感じるべきでしょう。
あなたは、中学に入ってから長男がこのような状態になったのは、
学校に問題があるのではないか、
と思うかも知れませんが、私はあなた自身の日常生活のあり方が気になります。
幼い頃から厳しい躾で育てられ、そのうえお姉さんと常に較べられて、無意識の内にあなたは良い子を演じてきたのではないでしょうか。
それがあなたの性格形成に影響し、かつて自分がそうされて育ったように厳しく、規範的な育て方を子どもにされたのでしょう。
中学生になってお子さんは自我が育ち、親の望むよい子を演じることに疲れ、
人への不満ばかりを口にしている母親中心の家庭が、安らぎの場ではなく、
心のエネルギーを消耗する場となっていることを考えるべきです。
父親が海外赴任中とはいえ、父親という存在を家庭の中でどのように位置づけていくかが大切なポイントです。
厳しい国際情勢の中で、どれほど父親が心身をすり減らして働いているか、母親が夫と子どもの中間で、父親の姿を伝えていくことが必要なのです。
子どもの前で夫や姑の悪口、子どもが傷つく言葉を言っては、多感な時期のお子さんが希望や夢を持てなくなるのは当然でしょう。
まずあなた自身が、自身の潜在意識にある自分の心の鎖を解いていく努力が必要です。
【月刊「すこ~れ」 243号 〔すこ~れ相談室〕より】