子どもたちに叱責される夫
小4の次男がナイフを
【お悩み】: 私は40歳の専業主婦で、主人は外資系の会社に勤めています。
中学校1年生と小学校4年生の男の子の4人家族です。
今、世間でナイフを使った事件が頻繁に起こっておりますが、先日、もしやと思って子どもたちの机の中を見たところ、次男の机に登山用ナイフが入っていました。
たぶん自分のお小遣いを貯めて買ったと思うのですが、私には何も言っていませんでした。
長男にさり気なく聞いてみると、昨年の夏頃から持っていたと言います。
私はまったく知りませんでしたから、机の中のナイフを見た時は気が動転してしまいました。
主人に話したところ「別に学校に持って行くわけではないのだから」と、問題にしません。
わが家の大工道具箱にはドライバー等と一緒に刃こぼれした大きめの登山用ナイフが入っていますが、これは主人が学生時代に山で使ったものです。
まだ小学生の次男が同様の小型ナイフを持っているのは、どう考えても不自然ですし、使う場もないはずです。
しかし、購入してから1年近く経った今頃になって改めて問い正すのも、母親としての動揺が見透かされそうで躊躇しています。
こんな時こそ父親がもっと親身になって子どもたちと話してくれればと思うのですが、親子の会話があまりありません。
【アドバイス】: 子どもの心が見える親に
中学生による刃物殺傷事件が全国各地で相次いでいる昨今、お子さんが登山用ナイフを持っていることを知り、不安になる気持ちは分かります。
子どもたちの間では、ナイフを持つことが「カッコイイ」という一種の流行であったり、護身用であるなど、動機は様々なようです。
小学校4年生のお子さんがナイフを持っていたからといって、すぐ殺傷事件等と結びつけて考えるのは早計です。
どのような物でも、生活や仕事に役立つように使えば立派な道具となり、使い方を誤れば凶器にもなるのです。
要は、使う人の心次第であると言えます。
今、あなたのなすべき事は、子どもの心が見える母親になる、ということです。
「私に何も言っていなかった」「全く知りませんでした」等、
あまりにもお子さんとの会話が乏しく、親子の絆が弱いように思えます。
だから、不信感のあまり無断でお子さんの机を点検せざるを得なかったのでしょう。
子どもの問題は、親へのメッセージを秘めており、ほとんどの場合、核心にあるのは夫婦のあり方なのです。
ご主人の足らざる所を責めるより、先ず、妻として母親としての成長を心がけることです。
親は常に子どもに共感しつつ、前向きな目標を掲げて行動していく姿勢が大切です。
日常生活では家族の誰よりも早く起きて1日のスタートを切り、元気良く挨拶を交わす。
夫の出勤を笑顔で見送り、帰宅時は労をねぎらって迎える。
子どもの話に耳を傾ける。
等、家族の太陽の存在として明るく活き活きと生きることです。
【月刊「すこ~れ」 208号 〔すこ~れ相談室〕より】