小3長男のチック
自分の生育歴に悩む
【お悩み】: 私は32歳の主婦で、主人は公務員です。
9年前に職場結婚をして今は小学2年生の長男と幼稚園年少の長女との4人家族です。
2人の子育ての忙しさから幾分解放され、生活の中に自分の時間がもてるようになった現在、自分の生育歴に悩んでいます。
私が中学2年の秋頃、母は私と妹に、父には愛人がいて、しかも、私と同じ年の子どもがいることを打ち明けました。
大変ショッキングなことでしたが、当時、子ども心に夫婦仲がよくないことを感じていましたし、世の中にはよくあることと、余り気にせずに聞き流しておりました。
その事実を打ち消すように、父は父、私は私、と割り切って過ごしてきました。
あれから月日は流れ、私も結婚して子どもたちの親となった今、あの時の母の話が思い起こされ、私を悩ませるのです。
私は3人弟妹の長女ですが、私は両親に望まれて生まれてきたのではないのでは?とか、父は母という人がいながら、
……などと、自分の存在の根の部分を否定してしまう自分に気づき、毎日苦しんでおります。
夫はとてもやさしい性格で、子どもたちも元気一杯に育っており、何の不満もありません。
私の心をどのように整理して生活していけばよいのか、よきアドバイスをお願いいたします。
【アドバイス】: 肯定的に見ることから
お母さんからお父さんの事の事実を聞かされた時から、ずいぶんつらい思いをされてこられた話を伺い、胸が痛みます。
あなたにしっかりと認識していただきたいことは、人は誰しも、形を変えてマイナス要因を背負って生きているということです。
それが自身の身体上のハンディであったり、あるいはわが子の問題を抱えている人もいれば、経済面で苦しむ人もいます。
あなたにとっては、娘時代からの嫌な生育歴なのです。
過去の事実は変えることはできないのですから、マイナス要因をどう受けとめて、どう対応するかによっては、今後の運命の分かれ目となります。
今、あなたはよきご主人と2人のお子さんとに恵まれ、幸せな家庭を築かれておられます。
それは、あなたが現実の生活の中で前向きにけなげに生きて来られた証であり、無意識のうちにマイナスの体験をプラスに転じた、ということです。
なぜ、それほどまでに過去にこだわるのでしょうか?
あなたは、ご自分が知らないうちに健全な生き方ができる人柄になっていることに気づくべきです。
スコーレの『内省研修』や『セルフ・カウンセリング』(渡辺康磨玉川大学教授創案)の学習に積極的に取り組まれてはいかがでしょうか?
自分を肯定的に見つめ、自分の尊さに気づかれ、悩みから解消されるでしょう。
【月刊「すこ~れ」 182号 〔すこ~れ相談室〕より】