夫の暴言に離婚を考えてしまう
振り込め詐欺に狙われたのが怖い
【お悩み】:私は六十八歳の主婦で、七十四歳の夫と二人暮らしです。
夫は社交的で市民大学やグランドゴルフ、ゲートボールなどに積極的に参加し、日中は私が一人で留守番をしています。
子供二人はそれぞれ社会人です。
先日、二男を名乗る男から「F君が四月に会社を興した時に資本金が足りず、金融機関からの借り入れに僕が連帯保証人になった。F君が滞納しているので代わりに僕がすぐに払わないと会社に集金に来ると言われた。四十九万円を振り込んで欲しい」との電話を受けました。
一瞬、何とかしてあげなくてはと思いましたが、「お父さんに相談するからちょっと待って」と言うと電話は切れました。帰宅した夫に説明し「すぐに送金しなくては」と話すと、「振り込め詐欺だから放っておけ」と言います。
その夜、二男と連絡がつき「僕はそのような電話はしていないし、保証人にもなっていない」と笑っていましたが、わが家にも振り込め詐欺の電話があったと思うと恐ろしく、電話のベルに足が震え、受話器を取るのも恐ろしく、一日中落ち着きません。
どうしたらこの気持ちを払拭することができるでしょうか。また、被害者にならないために気をつけることはなんでしょうか。
(栃木県下野市 Y子)
【アドバイス】:今や電話は生活に欠かせない必需品となっていますが、便利になった分、電話を使った犯罪も多く発生し社会問題になっています。
振り込め詐欺やオレオレ詐欺、悪徳商法の勧誘、最近では「税金を還付します」「年金をお返しします」「必ず儲かります。投資しませんか」など、電話を使った事件が私たちの身の回りでいつでも起こり得る状態です。
今回、あなたが被害に遭われなかったことは何よりです。大切なことは、自分ひとりで決めたり、解決しようとしないことです。
あなたが「お父さんに相談してから」と即答されたことは、的を得た素晴らしい知恵です。
これからも「夫に相談してから」「夫がいいと言ったら」を決めごとにしてはいかがでしょうか。
「報・連・相(ほう・れん・そう)」という言葉があるように、家族同士がいつでもすぐに報告、連絡、相談し合うことを決めごとにしていると、いざという時の危機管理になるのです。
また、社会の動向に敏感になることも大切です。ほぼ毎日と言っていいほど、新聞紙上やテレビなどでこの種の事件・事故が報道され、手口が紹介されています。
「他山の石」とせずにわが身に置き換えて「私ならこう対処する」をシミュレートしてみることも必要ですし、小さな喜びや不安を隣近所とコミュニケーションできる関係を築くことが大事です。
受話器を取るのが怖いとのことですが、電話会社のサービスに「ナンバー・ディスプレイ」「ネーム・ディスプレイ」などがあります。これは、あなたが電話を取る前にかけてきた相手の電話番号や名前、会社名が電話機などのディスプレイに表示されるサービスです。有料ではありますが、最寄りのNTTに相談されるとよいでしょう。
これからも末永くご主人と苦楽を共にするわけですから、ご夫婦で会話をする時間を多くし、食事を楽しみ、共通の趣味をもって一緒に戸外で過ごす時間を共有されてはいかがでしょうか。必ず気分が晴々しますよ。
【月刊「すこ~れ」 327号 〔すこ~れ相談室〕より】