2016.02.04
指示や命令 百害あって一利なし ~小川健次の子育てセミナー⑪~
【お悩み】:三人きょうだいの中二の長女は食事中よくおしゃべりをし、つられて下の子供たちも大騒ぎ。注意をしても改まらず困っています。
【アドバイス】:先日、ファミリーレストランで食事をしていると、隣の席に両親と十歳くらいの女の子、六歳くらいの男の子が座りました。注文し終わると、お父さんとお母さんは携帯電話を、女の子はゲーム機をとりだし盛んに親指を動かしています。男の子は所載なげに周りを見渡しているだけです。料理が運ばれてきても左手に携帯、右手にフオークで黙々と食べるだけ。親子の間に一言の会話もありませんでした。一家揃っての楽しいはずの食事が男の子にとってどんなにか寂しく、砂を噛むようなカレーライスの味だったのではないでしょうか。
「一家団欒*だんらん*」の言葉がすっかり忘れ去られ、子供が一人で食事をする「孤食*こしょく*」が増えている今、食事のひと時を楽しいおしゃべりの場にして欲しいのです。心をひらいておしゃべりをし、ほっとできる時間こそが家族の絆を深めるのです。
子供たちが望む「一家団欒」は、漫画サザエさんの丸いテーブルを囲んで食事をしながら談笑する家族の姿だそうです。
時間が許す限り、お父さん、お母さんを囲んだ楽しい食事の場をつくってあげてください。子供たちが成長してからも楽しい思い出として心に残るものです。
【月刊「すこーれ」340号〔子育て一口アドバイス〕より】