失恋から引きこもってしまった二男
離婚し、孤独の中での子育てに悲観
【お悩み】:私は四十五歳で、子供は中学三年の長女、中学一年の長男がおります。昨年、十六年間の結婚生活に終止符を打ちました。
二人の子供は私が引き取り、両親と兄夫婦が暮らす北陸の実家近くでアパート暮らしをしています。
私たちは共通の知人の紹介で結婚したのですが、夫とは性格が合わず、夫婦とは名ばかりの生活でした。
別居している姑にも受け入れてもらえず、交流もほとんどありませんでした。
結婚当初、大企業に勤務していた夫は姑にとって自慢の息子で、夫が仕事に意欲をなくして転職したのは私の責任だと姑から責められました。
私は常に孤独で、気持の通い合わない夫との生活には喜びも希望も感じられず、離婚を決意したのです。
転職をくり返す夫に、養育費や慰謝料などは期待できず、何の取り決めもしませんでした。
現在、私は派遣社員として働いていますが、いずれ正社員にと言われています。
長男は元気に学校へ行っていますが、長女は不登校です。実家の両親は病弱、兄夫婦とは不仲で、頼りにすることはできません。
このような状況の中で出口が見つからず、今後どのように生きていくべきか思案に暮れています。
(福井市 K美)
人の立場で物を見る習慣を
【アドバイス】:ご主人と離婚され、思春期の二人のお子さんを女手ひとつで育てていくことは、並大抵のことではないとお察しいたします。
このたびの決断は、悩み、苦しんだ上での選択だったのでしょう。
この辛い体験を生かしていくために、今までの自分に何が足りなかったのかをよく考えてみることが必要です。
小さな不満や感謝のない生活によってできた些細な溝が、気づいた時には深い溝となっていることはよくあることです。
義母とはしっくりいかず、兄夫婦とも不仲で、頼りにできる人がいないというのは、あなたの生きにくさの大半が、人間関係に原因があるのです。
私たちは気づかないところで多くの人から支えられています。
自分中心に物事を見ていると欲求が多くなり、人への不足の心で表情が曇ってきます。
いま、あなたが心がけるべきことは、人の立場に立って物を見る習慣を身につけることで、あえて人の長所を見るようにするのです。
たとえば、兄夫婦の容姿(容貌)・性格・能力の三つの面から、美しさやすぐれた点を思い出して、一週間メモ書きをしてください。
今まで気づかなかった美点や長所がたくさんあることに驚かれるでしょう。
そして、手紙の文面や電話での会話の中で、さりげなく伝えてあげるのです。
あなたのそばにいると心が安らぎ、ホッとする雰囲気がにじみ出るようになった時、自然に良い人間関係ができてきます。
あなたが変わった程度、お子さんに何らかのよい変化がみられるでしょう。
簡単なことではありませんが、人生の第二ラウンドのために心を決め、学習に取り組んでください。
【月刊「すこ~れ」 372号 〔すこ~れ相談室〕より】