中2の長女の食事中のおしゃべり
優しい言葉の力は、生きるエネルギー ~小川健次の子育てセミナー⑦
繰り返し言うと自信に ・・・苫小牧/千歳民報 2015年10月1日(木)掲載
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優しい言葉の力は、生きるエネルギー
ある若いお父さんが出勤前に、5歳の美保ちゃんを膝の上に乗せて向かい合い、互いの長所をゲーム感覚で言い合いました。
初めに、お父さんが「美保ちゃんは、いつもかわいいネ」と言いました。美保ちゃんは笑みを浮かべて、うれしそうです。次に、美保ちゃんはお父さんの耳元で、「お父さん、カッコイイ」と。「ありがとう。美保ちゃんは絵が上手だネ」。ニッコリした美保ちゃんは、しばらく天井を見上げて考え、再びお父さんの顔を見て、「もう、ナイ!」と。お父さんは思わず噴き出し、ゲームはそこで終了。しかし、美保ちゃんから「カッコイイ」と言われたお父さんは、一日中、ルンルン気分だったのです。
あれから20数年経った今でも、お父さんの耳元に美保ちゃんのあの言葉が残っていると言います。大人でさえ、わが子のたった一言のほめ言葉が、いつまでも心地よい響きとして残っているのです。きっと、美保ちゃんもお父さんからの言葉で心が満たされているはずです。
繰り返し言うと自信に
日常、お母さんがわが子に一番多く使っている言葉は、「早く~しなさい!」「~してはダメよ」。これらの言葉は言えば言うほど、子どもの心から確実にヤル気を失わせ、自主性や創造の芽を摘み取ってしまいます。
従って、一日に最低1回は、「お母さんは、あなたが大好きよ」「あなたを信じているよ」「お母さんの宝物よ」と言ってあげてください。“あなた”の代わりに、その子の名前で呼ぶと、効果は倍増します。どの子も皆、“自分を認めてほしい”“この世で一番大好きな、お母さんにほめられたい”という強い欲求を抱いています。
言葉にはエネルギーがあります。「お母さんは、あなたが大好きよ」の言葉をくり返し、くり返し言うことによって、子どもはお母さんに愛されているという確信が得られ、自信に満たされ、危機にも強くなるのです。やがて、「○○ちゃんも、お母さんが大好きだよ!」と言われ、涙があふれ出る日も近いことでしょう。
小川健次(おがわ・けんじ)
1952年、常呂郡留辺蘂(るべしべ)町(現北見市)生まれ。68年から22年間、苫小牧に在住し、製紙機械の組み立て・修理や電気工事などに従事した。現在、神奈川県相模原市に本部を置く公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会の理事・教育開発局長。生涯学習プログラムの開発、講師、カウンセラーなどを務める。子どもは社会人の一男(31歳)、二女(29歳と26歳)。