幼稚園年長の一人息子 ごはんをちゃんと食べない
やる気を育てる「共感の愛」 ~小川健次の子育てセミナー⑨~
日常の快感覚を言葉に ・・・苫小牧民報/千歳民報 2015年12月3日(木)掲載
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やる気を育てる「共感の愛」
昨年、世界中で大ヒットした洋画アニメーション作品『アナと雪の女王』のテーマは、ありのままの自分を受け入れ、自分らしい自分になって自分の力を活用すること。主題歌の「レット・イット・ゴー ~ありのままで」も、空前の大ヒット曲となりました。
親は子どもに「共感の愛」と「規範の愛」を与えて育てることが大切です。「共感の愛」とは、共感(思いやり)・肯定・尊重・信頼・称賛などで、子どもの気持ちや言い分、行動などをありのままに受け止めること。一方、「規範の愛」とはしつけ・あるべきこと・ルール・マナーなどを意味します。
日常の快感覚を言葉に
あるお母さんから、小学生の子どもが勉強しないとの悩みを相談されました。「うちの子、さっぱり勉強しないのです」「お子さんは、勉強しないで何をしているのですか?」「とにかく勉強しないのです」「勉強以外の何かをしているでしょう? テレビを見ているとか、マンガに夢中だとか」「マンガに夢中です」。
子どもへの期待や規範が強い親は、“もっと勉強していい大学に入り、偉い人になってほしい”という思いに囚われ、子どもの勉強以外の行動はすべて“勉強しない”という評価になり、子どものありのままの姿が見えなくなってしまうのです。子どもがうれしいときはうれしさを、子どもが悲しいときは悲しさを、親がどこまで共有できるかが問われるのです。
自分の共感力を高めるトレーニングとして、日常生活で快感覚の気持ちを抱いたとき、すかさず言葉に出して表現するのです。例えば、花を見てきれいだなと思ったら、「この花、きれい」。食事を口にして美味しかったら、「美味しい」と。自分が発した言葉が、自分の心をオープンにしていくのです。
「久しぶりの100点で、うれしいね」「あんなに練習したのに、負けてくやしいね」などの共感によって、“お母さんはボク(私)の気持ちを分かってくれている”と受け止めれば、その子の心に内発力(ヤル気)が自然に育っていきます。
小川健次(おがわ・けんじ)
1952年、常呂郡留辺蘂(るべしべ)町(現北見市)生まれ。68年から22年間、苫小牧に在住し、製紙機械の組み立て・修理や電気工事などに従事した。現在、神奈川県相模原市に本部を置く公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会の理事・教育開発局長。生涯学習プログラムの開発、講師、カウンセラーなどを務める。子どもは社会人の一男(31歳)、二女(29歳と26歳)。