毎日が無気力な生活
物忘れがひどく買い物が心配です
【お悩み】: 私は74歳、夫は十年前に亡くなり、今は一人暮らしです。
先日新聞折り込みの安売りチラシを見て会場に出かけました。
スーパーで2~300円はする洗剤やトイレットペーパーが20円など、あまりの安さについ買い求めてしまいました。
店を出ようとすると店員さんに呼び止められ、健康に良い布団を特別価格で分けるからと別の 部屋に通されました。
3人の店員さんに囲まれ、通常価格は80万円の品を今日限り28万円にする、ローンで買えるから書類にサインするよう強く勧められました。
しかし、夫が生前使用していた新しい布団があるのでやっと断りました。
さらに先日は、近くで工事をしている者だが、屋根瓦が緩んでいる、このままだと崩れる恐れがあるから、ついでに安く修理をさせて欲しいとか、下水が詰まっているからシロアリがいる、 などと毎日のように業者が来ますので、玄関を開けるのが怖くて仕方ありません。
また、最近では物忘れがひどく、買ったものを忘れることがたびたびあります。買わずにすむ上手な断り方がありましたら教えてください。
【アドバイス】:悪徳業者はあなたを狙っています
今、一人住まいの、特に「意識障害」を持つお年寄りを相手にした悪徳商法が社会問題になっています。
以下のことをしっかり覚えて、対応してください。
① はっきりと「要りません」と断る。
②「結構です」という断り方は絶対にしない「買っても結構」ととられる。
③ 玄関を開けない、入れない。
④ 入れてしまって断れなかったら「市や町の市民生活センターに聞いてみる」と電話する。
⑤ 行政を名乗る場合には必ず電話で確認をとる
(消防署や税務署のほうから来た、など言うことがある)
⑥ むやみに書類にサインをしたり、印鑑を押さない。
⑦ 預金通帳、キャッシュカード、銀行印や年金証書を他人に見せたり、貸したりしない。
⑧ もし買ってしまったら、必ず契約書、領収書をもらう。クーリングオフ制度に必要。
⑨ 金融商品、投資、商品取引など「儲かりますよ」の言葉に惑わされない。
⑩ 日頃から介護人、民生委員、隣近所の人たちと良い関係を保ち、何かあったときに駆け込んだり、良き相談相手になってもらう。
⑪ お金や預金通帳を持っているとつい買い物をしてしまう心配や、また財産の管理が分からないなど不安なときには、「成年後見人制度」があるので、役所(役場)、民生委員や司法書士事務所に相談してみる。
⑫ ちょっとした修理、補修、清掃など市町村の「シルバー人材センター」に頼むことが、安くて安心、安全。いずれにせよ、悪徳業者はあの手この手で騙しにかかりますから、「自分の身は自分が守る」ことが大切です。
【月刊「すこ~れ」 295号 〔すこ~れ相談室〕より】