先生から「落ち着きがない」と言われた長女
退学した長男がパソコンに熱中
【お悩み】:私は46歳の主婦で、家族は市役所勤務の49歳の夫、74歳の姑、大学2年の長女、17歳の長男、中3の次男です。
夫は生真面目な人で、姑はおだやかな性格で私たちの教育方針に口をはさむこともありません。
相談は長男のことです。
中学1年の2学期から学校を休みがちになり、中2で不登校に。
本人は高校進学を希望しましたが、先生と親が話し合って専門学校へ入学させました。
しかし、専門学校でもすぐに休むようになり留年の手続きをとりました。
本人はパソコンが好きなようで、夫は「無理に学校へ行かせるよりは、パソコンの技術を生かした分野に進む方がいい」と判断。
一方で、中卒の学歴は不利だな、と気にかけていましたが、学歴不要を強調する長男の意見を聞いて退学させました。
いま、家で夫が仕事の合間や休日に、パソコンの操作を教え、長男も黙々と勉強しています。
これまでは長男に対して厳しすぎる面があった夫ですが、これをきっかけに親子関係もスムーズになりました。
このような状況のもと、私はどのように夫や長男に関わっていけばよいのでしょうか?
【アドバイス】:あなたが夫と長男のかけ橋に
ご長男の不登校や退学をめぐってご苦労された、ご主人やあなたの気持ちはよくわかります。
ご主人が心配されたように、中卒よりは高卒、高卒よりは大卒の方が入社条件としては確かに有利です。
しかし、今、あらゆる分野で変化が起きています。
年功序列は能力(実力)主義に転じ、一流企業に入社できたとしても、いつ倒産するかも知れず、あるいは、リストラされるかも分からない時代を迎えたのです。
そして、採用条件に出身校を問わない、という会社がふえ、学歴社会の崩壊も進んでいます。
ご長男の不登校や退学は、一時的には挫折であっても、IT(情報技術)時代を迎えた今日、得意なパソコンの技術を磨くことで、将来の道は開かれています。
ご主人との関係が良くなったことは、喜ぶべきことです。
10代後半の子供を育てる主役は、父親が担うことが望ましいからです。
従って、あなたのご家庭において、子育てのバトンタッチがスムーズに行われたといえます。
ご長男のことはご主人に任せて、あなたは2人のかけ橋になることを心がけるとよいでしょう。
ご主人がきびしい言い方をして長男が反発した場合は、子どもには理解できない父親の愛情をわかりやすく説明するのです。
そして、朝は家族の誰よりも早く起きて1日をスタートし、笑顔で挨拶をしてください。
ご主人が出社、帰宅する時も常に心を込めて労をねぎらう言葉をかけてあげることです。
地域でもボランティア活動に取り組むなど、自分の充実した時間を持つことも大切でしょう。
【月刊「すこ~れ」 244号 〔すこ~れ相談室〕より】