出産を機に、夫が身勝手に
長男夫婦との不仲に悩む
【お悩み】:私は70歳になる主婦です。
共にデパートに勤めている37歳の長男夫婦と中学2年生と小学5年生の女の子の孫と同居しています。
主人は定年退職した後、農業を楽しんでいましたが、3年前に他界しました。
実は、長男の家族とうまくいかず、悩んでいます。
長男は結婚して、私たちと同居しましたが、私と嫁が家計や家事などを巡って不仲となり、嫁は2人目の孫が誕生して間もなく、長男と上の孫を置いて家を出て行ってしまいました。
主人が他界した時に、嫁から「今後、仲良く暮らすから帰らせてほしい」との要望があって、
再び一緒に暮らし始めました。
しかし、10年間に及ぶ別居生活の溝はなかなか埋まらず、嫁はだんだんと私を嫌うようになり、今では長男も「お母さんの声は聞きたくないし、姿も見たくない」と暴言を吐きます。
嫁が勤めを終えて帰宅するのは7時半頃になります。
下の孫は私になつかず、学区外の小学校に通い、嫁と一緒に帰宅します。
上の孫は私が育てたので、私との仲はよいのですが、嫁は何かにつけて厳しく叱ります。
中学1年生の2学期から不登校中ですが、嫁はあまり悩んでいる様子もありません。
いっそのこと、長男の家族がこの家から出て行ってくれればよいとも思っています。
長男と今後の対応について話し合いたいのですが、全く応じてくれません。
私はどうすればよいのでしょうか?
【アドバイス】:最高の笑顔で挨拶から
10年間に及ぶご長男夫婦の別居が、ご主人が他界された後に復縁したものの、再び長男夫婦との仲たがいに悩まされ、大変気の毒に思います。
お話を伺うにつれ、ご長男の家族との同居をこれ以上続けることは、大変むずかしいと言わざるを得ません。
あなたが望んでおられるように、別居して、ほど良い距離をとるほうが、お互いがこれ以上、
傷つかない方法のひとつです。
あなたが人生の先輩として、若い2人を寛大な心で受けとめ、避けられない苦労に対して正面から向き合うと、事態は変わっていきます。
それは十年間も家を出ていたお嫁さんが、あなたと仲良く暮らしたい、と望んで帰ってきたことに、わずかな可能性を見出すからです。
別居するにしてもこのまま同居を続ける場合も、日常の生活の中で、
あなたの最高の笑顔で、朝夕の挨拶、“オアシスはさいこお”(注)を交わすことから始めてください。
初めのうちは無視されたり、冷笑されるかも知れませんが、どんなことがあっても途中で止めずに続けることです。
自分の言い分を主張することよりも、相手に気持ち良く合わせることを心がけてください。
人を動かす第一歩は、先ず相手に合わせることです。
(注)
オ:おはようございます
ア:ありがとうございます
シ:しつれいします
ス:すみません
は:はい
さ:させていただきます
い:いただきます
こ:こんにちは
お:おかげさまで
【月刊「すこ~れ」 232号 〔すこ~れ相談室〕より】