両親に自分の意見が言えない
夫のワンマン経営に不満
【お悩み】: 私は58歳の主婦で、63歳になる主人との2人暮らしです。
長女と長男はすでに結婚しています。
結婚して以来、主人は10人の従業員と共に、機械部品メーカーの下請け工場を経営してきました。
景気の低迷が続く中で、同業者が相次いで倒産し、主人の工場も、親会社が人件費の安い
東南アジアに下請け工場を建設したことで仕事がなくなり、従業員を全員解雇せざるを得ませんでした。
主人は工場を閉鎖して、勤めに出ることを考えていましたが、この厳しい就職難と自分の年齢に迷っていたようです。
そんな矢先、主人に好意的であった異業種の製作所の社長から仕事をいただけることになり、
しばらく研修をうけて技術を習得し、
銀行の手形等の決済は、私が老後のためにコツコツ積み立てていた預金を全て使って、
何とか切り抜けることができました。
私がやりきれないのは、経営が順調だった時、工作機械の開発のために、私に内緒で銀行に多額の借金をしていたことです。
全てにワンマンな主人に、今までの不満とこれからの不安が積み重なり、イライラも募り、休日家でゴロゴロしている姿に嫌気がさしています。
主人との関わり方について、よきアドバイスをお願い致します。
【アドバイス】: 裏方に徹し、力を合わせる
景気の低迷の中で、大手企業も自分が生き残る策を講じています。
そのシワ寄せで苦境にたたされている所も少なくありません。
今、あなたが最も心得るべきことは、経営が危機の時ほど、夫婦が力を合わせて助け合うということです。
夫婦が心を一つにして必死で取り組むなら、仕事は必ず好転するでしょう。
一番良くないのは、お互いが相手に不満を抱いたり、責め合うことです。
ご主人が工作機械の開発のために銀行から多額の借金をしたのは、経営者としての前向きな姿勢です。
それをあなたに相談しなかったのは、仕事のことで余計な心配をかけたくないという思いやりです。
負債をあなたの預金によって返済し、経営の危機を乗り越えられたのですから、ご主人は心から感謝しているはずです。
だからこそ、夜遅くまで懸命に働かれているのではないでしょうか?
休日の過ごし方は連日の疲労の回復を図り、明日からの活力を得ているのです。
そっと、見守ってあげる配慮が大切です。
苦境の時に、手をさしのべてくれる人がいるご主人の誠実な人柄は、人徳という無形の財産といえます。
ご主人は一番つらい立場にありながら、必死に働いているのですから、あなたがご主人の労をねぎらい、居心地のよい家庭作りに専念することです。
ご夫婦が力を合わせてこの苦境を乗り越えていく姿は、すでに結婚されている2人のお子さんが人生に危機に遭遇した時、大きな心の支えになりますよ。
【月刊「すこ~れ」 181号 〔すこ~れ相談室〕より】