仕事に理解のない夫
突然、娘の結婚が破談に
【お悩み】: 私は25歳と23歳の娘2人をもつ主婦です。
夫は金融業を営んでいますので、経済的には恵まれていると思います。
実は、長女は学生時代から交際してきた男性と結婚を約束し、来月、結納を交わすところまで話が進んでいました。
しかし昨日、突然、相手の両親から「息子との結婚の話はなかったことにしてほしい」と理由も言わず、一方的な申し入れがありました。
先方の父親は中学校の校長で、息子も教師、母親も元教師という教育者一家です。
今回、長女との結婚については、家族で話し合い、
わが家は相手の家柄とは対照的に、型にはまらず、いつもたくさんの人が出入りしています。
夫はこの上なく娘たちに甘く、一緒に外出した時に、贅沢と思えるような車を買い与えたこともありました。
夫は今回の件で腹立ちまぎれに、「オレがもっとよい男性を探してやる」と言っています。
しかし、今の長女には、何の慰めにもなりません。
話が大詰めになった時期での破談ですので、ショックも大きく、「私はもう一生結婚はしない!」と泣き伏し、自分の部屋に閉じこもっています。
そのような長女を見ていますと、母親として、いても立ってもおられない気持ちになります。
親として、どのような対応を心がけるべきでしょうか?
【アドバイス】: 「これで良かった」
結納を一か月後に控えての相手の一方的な破談の申し入れは、娘さんにとっては大きなショックでしょうが、視点を変えれば、「これで良かった」と言えます。
それは相手側に、あまりにも配慮のなさが二つあるからです。
この結婚はお見合いではなく、娘さんと彼の当人同士が長年の交際を通して、将来を約束し合ったのです。
例え、どんな事情で断るにしても、先ず、本人が直接、娘さんに誠意をもって対応すべきなのです。
それが全く見られません。
次に、断る場合において、何の理由も述べずに一方的な申し入れをするのは常識を逸しています。
「お互いの家風が合わないから」とか何らかの理由をもって、社会常識に沿った断り方をすべきなのです。
人の一生を左右する重大な時に、以上の二つが相手側に欠落しているのですから、例えめでたく結婚したとしても、これに類似した行為はあり得ると思われます。
それで果して娘さんが幸せになれるかどうか、大いに疑問ですし、
身内になって、不幸な結婚生活を送ることにもなりかねません。
娘さんの心の傷が癒されて立ち直るまでには時間を要するでしょうが、親が冷静に見つめて、時間をかけて娘さんと話し合っていくことが大切です。
破談になって、その後、幸せな結婚生活を送っているケースは、世の中にいくらでもあります。
今回のマイナスの体験をプラスに転換させることで、娘さんが幸せになれる人との出会いが必ずあることでしょう。
【月刊「すこ~れ」 197号 〔すこ~れ相談室〕より】