挨拶ができない
仕事か育児か悩む
【お悩み】: 私は34歳の主婦です。夫は33歳で、ある放送局に勤めており、3歳の長女、
生後6か月の次女の4人家族です。
私は大学卒業後、希望していたテレビ局に就職して、自分では“一生仕事一筋”のつもりでいましたが、仕事で出会った夫に望まれ、28歳の時に結婚しました。
結婚後も夫の協力により仕事を続け、長女を出産した後、半年で職場に復帰しました。
今回、次女が生まれ、産休中ですが、仕事にもどるか、しばらく育児に専念するか、迷っています。
長女は生後間もなく、ベビーシッターや託児所、姑のお世話で、聞き分けのよい、手のかからない子でいました。
しかし、今は私にベッタリと甘え、言うことを聞かず、折々泣きわめき、友だちに乱暴をし、
近頃は夜泣きも激しくなりました。
私と弟を育てながら仕事を続けてきた母は是非復帰するよう勧めますし、
夫も、家事と育児でイライラするよりも、仕事で輝いている私の方が魅力的だと言います。
私も四六時中、子どもと関わってみて、育児に全く自信がもてず、仕事に向いていると思うのです。
私が育てるよりも、育児のベテランに預け、私が活き活きと仕事をした方が、子どもたちも幸せだと思うのです。
けれども、専業主婦として3人の子どもを立派に育てられた姑に
「今しっかりと子どもに関わらないと、必ず後悔するよ」と厳しく言われました。
これからも育児を姑に頼らねば、仕事を続けられませんので、迷っています。
よきアドバイスをお願いいたします。
【アドバイス】: 今は子育てに専念
今まですべてに順調で、キャリアウーマンとして活躍してきた有能なあなたが、子育てで自信をなくされて悩む気持ちはわかります。
お母さんと姑さんの子育て観の違いが、あなたを一層悩ませてもいます。
子どもにとって、特に誕生してからの3年間は母親の愛情が非常に大切です。
乳幼児は、お母さんのやさしい笑顔、肯定的なことば、抱く・触れるなどのスキンシップによって、今後の人生への活力を得るのです。
ご長女の行動は、今までの愛情不足をメッセージとしてお母さんに訴えかけています。
子どもを育てるということは、どんな仕事と比較することもできない、親としての大事業なのです。
どんなに保育システムが開発されても、自分を生んだ母親の愛を上回る愛はありません。
よほどの事情がない限り、自分が生んだ子は、自分の手で育てることが最小限の務めです。
有能なあなたですから、時期が来れば、仕事に就くことも可能です。
仕事のやり残しはできても、子どもの人生の土台となる幼児期は、二度と取り戻すことはできないのです。
今後、姑さんの協力を仰ぐとすれば、今は育児に専念すべき時期ではないでしょうか?
人生のそれぞれの時期に、何が一番大切なのかを見極めて、後悔しないことが肝要です。
【月刊「すこ~れ」 196号 〔すこ~れ相談室〕より】