2歳長男だだをこねる
縁が切れたのだから孫にかまわないで
【お悩み】:七十歳の主婦です。夫と娘、そして二十一歳と二十歳の孫と同居しています。
娘は資産家の長男と結婚し、二人の女の子に恵まれましたが、子供たちが五歳と六歳の時に離婚となってしまいました。
娘の元夫の生家はマンションを経営していて、小さい頃から家族の団らんを知らずに成長したと聞いています。お姑さんに気に入られていた娘は、離婚を思いとどまるよう幾度も懇願されましたが、元夫は親としての自覚がなく、女性関係もあったようです。ついに我慢できなくなった娘は、離婚に踏み切ったのでした。
孫たちに、縁の切れた祖母から電話があったり、折々のお祝いが届きますが、私はそっとしておいてほしいという思いでおりました。
しかし携帯電話で孫たちとじかにメール交換をするようになり、先日は姉妹二人で祖母の家に泊まりに行きました。そのような時は、父親を呼んで会わせているようなのです。娘はそんな二人を黙認しています。
孫たち二人も大学生となりました。今も働いている娘のために孫育てをしてきた私としては、何をいまさら……と思ってしまうのです。黙って見ているしかないのでしょうか。
孫のために黙って見守ってあげましょう
【アドバイス】: お孫さんを小さい時から手塩にかけて育ててこられたあなたの気持ちはよく分かります。父親がいないという不憫さもあり、愛情たっぷりに育ててこられたのでしょう。あなたにとって、可愛くてかけがいのないお孫さんなのでしょうね。
視点を変えてみれば、かつて一時であれ一緒に住んでいたあちらのおばあちゃんにとっても、可愛い孫であることに変わりはないのです。
二人のお孫さんがすくすくと成長し、大学生となったのは、父親はなくともおじいちゃんやおばあちゃんの温かな存在があったからともいえます。幸い、娘さんとお姑さんは憎しみ合っていたわけではないので、自分の両親の気持ちを理解しながらも、あちらのおばあちゃんと子供たちの関係を黙認していたのではないでしょうか。
別れたご主人も独身を通されているとのこと。あちらのお姑さんも息子が悪かったという気持はあっても、母親としての心情は、妻や子供たちと別れた息子が不憫でならないのでしょう。
お孫さんも二十歳を過ぎて、思慮分別のできる年齢です。娘さんも辛かった時期を乗り越え、今ではわが子を信じて見守っているわけですから、それぞれの巣立ちの時ととらえ、寂しさはあっても、あなた自身大切な役割をされた自分自身をほめてあげてください。
あちらのおばあちゃんもきっと、立派に育った孫たちを見て安心していると思いますよ。いずれは親元から飛び立っていくお孫さんのためにも、別れた父親、祖母の悪口は言わないことです。両親は離婚しても、お孫さんたちには多くの支えがあって幸せだという思いで、あなたはご主人との老後の生きがいを見つけていってください。
【月刊「すこ~れ」 317号 〔すこ~れ相談室〕より】