思春期の長女の態度に悩む
株に失敗し、夫の通帳に手をつけてしまった
【お悩み】:四十七歳の主婦です。夫は五十二歳、機械工具の卸売業を営み、私を含めて三人の使用人がいます。
高校三年の長女、中学三年の長男との四人家族です。
十三年前に証券会社の営業員が来て、その話術に惹(ひ)かれて、夫に内緒で株式投資を始めました。
当初は確実な銀行株を勧められ、わずかですが利益を上げることができました。
その後、IT関係の株を勧められ五千株を購入。五年前に売却して八百万円近い利益を手にしました。
その後も勧められるまま信用取引を継続。リーマンショック後、株式市場の低迷から「保証金が不足です」と言われ、八百万円の追加保証金を要求され、夫の預金を無断で引き出して支払いました。
儲かったらすぐ穴埋めできる、という軽い気持ちがあったのです。
最近の不況から、夫の仕事の売り上げや利益も激減し、使用人の給料支払いにも困る状態です。
「社員に迷惑はかけられない。とりあえず俺の預金から支払うように。仕事は上向きだから二~三ヵ月の辛抱」と言われ、動転しました。
三ヵ月分も預金を崩すと、預金が不足します。株を全部売却しても足りません。
夫に事情を話して許してもらうか、実家から遺産分けでもらった私名義の七十五坪の土地を売って穴埋めするか迷っています。
仕事一途で真面目な夫に申し訳ない気持ちと、浮ついたお金に対する私の執着心に反省でいっぱいです。
(宇都宮市 K・Y子)
ご主人に詫(わ)び、対応を委(ゆだ)ねる
【アドバイス】:信用取引はハイリスク・ハイリターンを伴うもので、決して家庭の主婦が手を出すものではない、と私は思います。
人は、自分の器以上の富を手にすると、かえって不幸になりかねません。
この問題は、あなたの手に負えません。一つ対応を誤ると、より深みにはまっていきます。
あなたは自分の非を潔(いさぎよ)く認め、ご主人に率直に詫びることです。
土地を「売りたい」と「買いたい」とでは価格に大きな差が出ます。
つまり、足元を見られるということです。また、一度手放した土地は取り戻したいと思ってもなかなか叶(かな)うものではありません。
親からいただいた宝物ですから、あなたの子孫のために使う道を考えることが賢明です。
不況の現在、自治体や金融機関が緊急融資制度をいろいろと打ち出して、仕入資金、決済資金、人件費など低利で支援してくれる体制を整えています。
ご主人が日頃から取引をしている金融機関、または地元の商工会議所に、あなたの所有の土地を担保に融資を受ける相談をするのも一方法です。
今、あなたがすべきことは、小(こ)手(て)先(さき)の対応はせず、一刻も早くご主人に事の真実を伝えて素直に詫び、今後の対応をご主人に委ねることです。
これからは、ご主人の勤勉さや実直さをよきお手本とし、ご主人と手を携(たずさ)えて苦境を乗り越えていってください。
【月刊「すこ~れ」 354号 〔すこ~れ相談室〕より】