ドアのカギを開けることに夢中な3歳の息子が心配
カードローンを気軽に利用する長男
【お悩み】:私は四十八歳の主婦で、夫は五十歳、長男二十三歳、次男二十歳の四人家族です。
長男のキャッシングローン利用のことでご相談します。
最近の不況から五年前、夫は会社を退職しました。
ちょうど長男の県外への大学進学と重なり、家計はたいへんでしたが、私のパートで得る賃金でなんとか生活できていたので、真面目で一生懸命な夫を信じ過ごしました。
夫が私の銀行のカードを持ち出して小口ローンの手続きをしていても、生活さえできればと、だまって我慢していたのです。
その後、信販会社などからの督促や封書が届くようになり、驚くと同時に「早く相談して欲しかった」という責め心や、夫の苦しみに気づかなかった自分を反省しました。
長男はアルバイトをし、少ない仕送りに文句を言うどころか感謝の言葉を返してくれました。
半年後、夫の仕事も見つかり、長男は大学を卒業。無事職に就くこともでき、車の免許を取得して新車を購入したのですが、その返済や奨学金の返済など、カードローンを利用しているようなのです。
督促がきても返せない時は、夫が代わって返済していますが、長男は借金の重みを知らず、カードでお金を借りることに慣れているのが心配です。
(富山市・N美)
夫婦で話し合える関係づくりを
【アドバイス】:ご主人を信じて、ご夫婦でよく頑張ってこられましたね。
リストラで職を失ったり、不況で職に就けなかったり、それが家族崩壊や自ら命を落としてしまうような悲しい出来事につながるといった話を耳にする昨今、お子さんに希望を持たせ、夫婦が協力して歩まれる姿は立派です。
ご苦労の多い中、時にはご主人を責めたくなったお気持ちもよくわかります。
あなたがご主人を信じたように、ご長男のことも信じてあげましょう。
大変な経済状況の中で両親が自分の望む道を歩ませてくれたことは、ずっと心の深いところで感謝し続けることでしょう。
だからこそ、ご長男は親に苦労かけまいと自分でアルバイトをし、親元を離れた県外での大学生活も乗り切ることができたのです。
親に心配させまいとして、ご長男はカードローンを利用したのではないでしょうか。
しかし、カードローンは手軽に借りられる反面、大きな落し穴を秘めています。
気がついたら、借金の怖さを知らないご長男がローンの返済に行きづまり、借金に借金を重ねて、借金地獄に陥ってしまうこともあり得るからです。
そうした悲惨な例は、世の中にたくさん起きています。
何事もご主人やご長男を信じ、時に我慢することも大切ですが、家計を含め、大事なことを夫婦で話し合える関係づくりを日頃から努めることが何よりも大切です。
そのためには、家族一人ひとりに笑顔で挨拶を交わし、相手の話に耳を傾け、頼まれたことはキチッとやり遂げることです。
あなたのその積み重ねが、やがてご主人から信頼を得て、何かの時に相談をされ、話し合える日がきっとくるでしょう。
【月刊「すこ~れ」 365号 〔すこ~れ相談室〕より】