妬み心を治したい
社会性のない息子の将来が心配
【お悩み】: 30歳になる息子のことで相談させて頂きます。
大学を中退し、内装工となりましたが、職場が一つところに定まりません。
自分の思うところでないと言って1年、短い時には4ヶ月で辞めてしまいます。
現在は無職です。
でも、働かないのではなく「次もほぼ決まっているから」と言っています。
父親は事故で2年前に亡くなり、息子と二人暮らしのため、生活費の一部を出してくれるという約束ですが、ほとんどの月、入れてくれません。
以前、社会保険料を滞納しており、たまりかねて私が支払い「義務は果たさないといけないよ」と言うと、「そんなもの、放っておけばいい!」という返事でした。
行き詰ったりするとすぐに「僕が死ねば〇〇千万は入るから、お母さんはそれで暮らせる」などと言います。
高校生までは友人も多く、リーダーシップもとれていました。
明るく楽しくしている姿ばかりを見て、親としては安心していました。
浪人生活を2年間過ごし、その間にいろいろと葛藤があったようで、自分が進みたい大学ではなかったと学校には行かず、バイトに明け暮れていたようでした。
【アドバイス】:一度突き放してみるのも愛情
現今では、ニートやフリーター人口が増え続けているといわれています。
中でもフリーターになると、「モラトリアム型」(社会に出て一人前の人間になることを猶予
される状態)が一番多いそうです。
たいへん憂慮される世の中ですが、職場の人間関係や、自分にこの仕事は適しているか適していないかなど、多くの悩みや苦痛を抱えながら働いている人も多くいます。
30歳の息子さんもまた、そういう状態の中で転職を繰り返して、自分の目指すものがハッキリと見えないのではないでしょうか。
ご主人は2年前に事故で亡くなられたとのこと、1人で母親と父親の二役の立場をこなしていかなければならないだけに、あなたの責任は重いですね。
月々の生活費の一部もほとんど入れない、社会保険料を滞納するなど、30歳を過ぎてなお、親に依存して「自立ができていない」としか思えません。
しかし、人は必ずプラスの面も合わせ持っているものです。
息子さんの長所はなんでしょうか。
あなたは、息子さんの能力や適性について、どれだけ理解してあげていますか。
今一度、息子さんのよいところを認めながら、今後の母子2人の生活設計について、話し合いの場を持ってみてはいかがでしょうか。
ことわざに、「獅子の子落とし」(わが子にわざと苦労を与え、わが子の能力を試したり、鍛えたりするたとえ)がありますが、場合により息子さんと一度距離をおいた生活をされることもよいかもしれません。
そしてあなた自身、親として今自分のやるべきことに取り組む姿が大切なのではないでしょうか。
【月刊「すこ~れ」 304号 〔すこ~れ相談室〕より】