施設に入所した母のことで
トイレを失敗する一人息子
【お悩み】:会社員の夫と一人息子の三人家族。息子は今春小学校に入学したばかりです。
この一週間、息子は帰宅するや否や、玄関先でおもらししてしまいました。
4~5月のときは、家に帰るとすぐにトイレに駆け込んでいたのですが、6月になってからは
間に合わず、失敗の連続です。
担任の先生に相談したところ、学校ではとても真面目で、授業中はもちろん、休み時間もおとなしく、教室で遊ぶことが多いとのと。
そして、学校ではトイレは我慢して一度も行っていない様子だとおっしゃるのです。
4月に失敗したとき、ひどく叱ったことがありました。
それから毎朝「トイレは我慢しないで、ちゃんと行きなさい」と言い聞かせて送り出しています。
朝、学校に行くまでに2,3回トイレに行く始末です。
小学校になっていきなりこのような状況で、これから先が心配です。
どうしたら良いでしょうか。
【アドバイス】: 萎縮させない配慮が大切です。
元気に明るく小学校入学を迎え、喜んでいた矢先、思わぬハプニングに驚かれたことでしょう。
一人っ子さんでこれまで愛情いっぱいに育てられたことと思います。
一家庭の子どもの人数が平均1.5人といわれる昨今です。いつでもどこでも、子どもに目が
届きすぎることも否めません。
結果、過保護、過干渉になりやすいものです。
また、「小学1年生だから、こうあるべき」と理屈で子育てする傾向も見受けられます。
ところが、子どもは親の思い通りにはいかないものです。
多くのお母さんが「こんなはずじゃなかった」と述懐しておられます。
息子さんは、新しい環境に慣れようと一生懸命です。とても素直で、これまでもお母さんの
指示通りにちゃんとついてきたはずです。
学校は今までと違って、お母さんと離れて過ごす時間が長くなり、周りには同年齢の子どもたちで、定められた行動が要求され、何かにつけて緊張の連続だと察せられます。
幼稚園までは、周囲の大人たちが細やかに声をかけてくれたりしてきました。
しかし、小学校に入った途端、かゆいところに手が届くような、そんな境遇ではなくなってきたのです。
にもかかわらず、親は期待ばかりが先行し、学校で失敗しないようにと、更に厳しく指示・命令ばかりしていないでしょうか。
それよりも、元気に登校していく息子さんに明るく元気な声で「いってらっしゃい」と送り出してあげましょう。
そして笑顔で「おかえりなさい」と迎えましょう。
共感し、しっかり受け止めたところで
「我慢しなくても大丈夫。トイレは休み時間にいつでも行けるよ。そうでないときは、先生に聞いてみるといいよ」とさり気なく言ってあげるといいでしょう。
何かを習得するときには、一度や二度の失敗はつきもの。
失敗を責めると、子どもは萎縮します。
お母さんが心配ばかりしていると、息子さんはなおさら不安になります。
お母さんが笑顔で明るく生活していくことが、子どもにエネルギーを与え、自信を育てていきます。
【月刊「すこ~れ」 286号 〔すこ~れ相談室〕より】