毎日の生活に行き詰まりを感じる
夫が突然のリストラで失業
【お悩み】:56歳の専業主婦、夫58歳と二人暮らしです。
夫は大学卒業後、中堅の建設会社の支店で、25年間事務職として働いてきました。
昨秋、業績不振のため支店が閉鎖となり、退職を勧められるまま、不本意ながら応じてしまいました。
割増の退職金はいただきましたが、住宅ローンの残債、大学3年の長女の学費、下宿代などを
考えると、夫に再就職をしてもらわねば家計のやり繰りができません。
夫は求人チラシに目を通したり、ハローワークに足を運んでいますが、希望する事務職の求人がありません。
退職した悔みや、毎日の単調な生活のイライラから、夜遅くまでパチンコに熱中し、家に帰ると不平、不満、愚痴を私にぶつけてきます。
夫と家に二人でいると息が詰まるような毎日です。
私もパートで働くつもりですが、主婦として今の状態をどのようにして乗り切っていけば良いのか教えてください。
【アドバイス】:共感が明日への活力を生みます
25年間、社会の第一線で会社のために頑張ってきた結果が、定年を前に退職勧告をうける…
リストラとは人員整理とばかりに、安易に人減らしをする経営者の多いことに怒りを感じることがあります。
しかし、会社も生き残るためには致し方ないことであり、苦しんでいるのはご主人だけではありません。
不本意ではあったにせよ、退職したことを悔やんでも過去は戻りません。良いときがあれば、
次には苦しいときがやってくるものです。
今こそが夫婦が力をあわせて助け合うチャンスです。
まず退職金で住宅ローンの一部を返済し、身軽にしておくことが大事です。
「会社都合」の退職ですから雇用保険の失業給付金が300日あります。
切れるまでには職を決めたいものです。現実には、58歳という年齢では希望する職種の求人が少ないことも事実です。
なりふりかまわず自分ができる仕事なら何でもよい、という覚悟を持つことが大切でしょう。
再就職に必要な技能、たとえば「電気工事」「ビル・マンションの管理」「パソコン操作」などを修得するための研修が開かれていますから、ハローワークに相談してみるとよいでしょう。
25年の職歴があっても、再就職先では新入社員ですし、年下の人が上司になることもあります。
これを生き抜くには今までの職歴、役職、学歴を忘れて働くことが秘訣です。
ご主人が再就職されるまで、あなたがしっかりとした目的意識を持ち、ご主人の同意と協力を
得て、パートで働くのもよいでしょう。
大学3年生の長女にとって、両親が家庭や子どものために必死で働く姿は、将来力強く生きる
お手本になります。
あと1年が学生生活総仕上げの年ですから、卒業させてあげてください。
生活に、仕事に、希望を持ち笑顔を忘れずに、何事に対してもプラス志向(思考)で、ご主人のよきパートナーとして25年のご苦労に感謝しながら夫の愚痴を、まず素直に聞いてあげてください。
「共感」が明日への活力を生む原動力になりますから。
【月刊「すこ~れ」 284号 〔すこ~れ相談室〕より】