子供に笑顔や愛を育む ~小川健次の子育てセミナー⑤
結婚前の彼への思い
【お悩み】:私は32歳の専業主婦で、35歳の主人と小学校2年の長女、5歳の次女との4人家族です。
主人はゲームメーカーで商品開発を担当しており、帰宅はいつも深夜に及んでいます。
朝は出社に間に合う時間に起きる生活ですので、夫婦間での会話もありません。
子どもの事を相談しても、まともに答えてくれたことがありません。
休日は昼近くまで寝ていて、子どもにしつこくせまられて、やっと重い腰を上げるといった調子ですから、外で一緒に遊ぶこともありません。
せいぜいゲームです。
他のご主人のように気心の知れた人とお酒を飲みに行くことも、スポーツクラブに通うこともなく、これといった趣味を持たない人です。
よく言えば、“仕事一筋”ですが、ユーモアのセンスがなく、これでよくゲームの仕事ができるものだと不思議です。
私との共通の話題もなく、こんな退屈な生活の中で、物足りなさを強く感じています。
私はOL時代、同じ職場の男性と2年間、恋愛関係にあり、お互いに結婚を前提に交際していました。
しかし、上司から強くお見合いを勧められ、しかたなく会ったのが現在の主人です。
見合いのことを彼に話したところ、自分は母子家庭で育ってきて、君の家とは釣合いが取れないだろうからと、あっさり身を引いてしまいました。
私は大きなショックを受け、上司や両親の勧めるままに、主人と結婚しましたが、彼は趣味も豊富で包容力がありました。
あの時、もっと勇気を出して2人の愛を貫くべきだったのではと、フッと思うことがあります。
今さら何をと思われるでしょうが、一人でいる時など、その思いが強くなり、悩んでいます。
【アドバイス】:現実を肯定して生きる
育児に追われる時期も一段落し、安定した日常生活に退屈している、そんな心の隙間に昔の思い出がよぎって来るのですね。
確かに、恋愛関係にあった男性と結婚した場合、今とは違う人生が展開していたでしょう。
でも、どのような理由があったにせよ、あなた方2人は結婚に踏み切る勇気もなく、その決断を下さなかったのです。
その時点で、二人の恋にはピリオドが打たれたのですから、今は青春時代の楽しい思い出の1ページとして心の中に収めておくことです。
あなたは現在のご主人と結婚されて2人のお子さんの母親になられた。
これが現実なのです。
昔の彼が忘れられないなどというのは現実からの逃避です。
夫婦として出会ったご主人との縁を大切にして絆を深めていくことです。
真面目で仕事一筋のご主人であればこそ、現在の安定した生活があり、幸せがあるのです。
平凡というのは最高に恵まれた生活であることを肝に命じてください。
人生は甘くはないのです。
朝早く起きて1日をスタートさせ、家族と元気な挨拶を自分から励行し、明るく活き活きと生活してください。
【月刊「すこ~れ」 222号 〔すこ~れ相談室〕より】