悩みを抱える長女への接し方は?
独り暮らしを貫く母
【お悩み】: 私は41歳になる主婦です。
夫は46歳で、ある観光会社に勤務し、長男と長女はすでに就職し、親元を離れて自活しています。
私は5人姉兄の末っ子で育ち、姉3人と兄は、県外で各々家庭をもっています。
今年、78歳になる母のことでご相談します。
母は、私が3歳の時に父を病気で亡くし、女手ひとつで5人の子どもを育ててくれました。
今、隣の村で独り暮らしをしています。
私の子どもたちが産まれた頃は、泊まり込みでお世話をしてくれました。
そのまま同居するものと思っていましたが、長女が中学校に入学したのを機に、
「もう、おばあちゃんが居なくても大丈夫だ」と言って、帰ってしまったのです。
曲がった腰を伸ばしながら、野菜を作り、私たち姉兄や子どもたちに送ってくれるのです。
そんな姿を見ていて、辛くなることがあります。
病気で寝込んだりケガをしたことはありませんが、近頃は視力が落ち、風邪をひきやすくなりました。
その都度、近所の病院に連れていって看病しています。
正月やお盆に、母の元に私の姉兄たちが入れ代わり立ち代わり遊びに来て、同居を勧めるのですが、頑として断り続けています。
夫は母のために、昨年、増築までしたのに、
「自分の体が動けるうちは、お前たちの世話にはならない」と言って、
兄は、母の独り暮らしを心配して、時々、20歳の娘に様子を見に行かせています。
こんなに周りが心配して、逆に、自分が迷惑をかけているのが分からない母を腹立たしく思います。
母を何とか説得する良い方法はないものでしょうか。
【アドバイス】: 今は親の願いを叶えさせる
年老いたお母さんの生活や健康を気づかうあなたの気持ちは、子どもとして当然であり、よく分かります。
しかし、お母さんの身になって考えてあげてください。
畑で野菜を作り、それをあなた方やお孫さんたちに喜んで食べてもらうことが、毎日の生き甲斐になっているのです。
曲がった腰や見えにくくなった目の辛さを超えた、大きな喜びなのでしょう。
若くしてご主人を亡くされ、女手一つで5人ものお子さんを立派に育てられた自信が、
今なお一人で暮らしていける力となっているのです。
今、ここで無理に同居させてしまったら、生きる張り合いを失い、気力も体力も衰えて、健康を害することにもなりかねません。
今はお母さんの願いを優先することが、子どもとしての最高の親孝行なのです。
いつの日か、お母さんが同居を希望された時に、受け入れられるよう準備しておけば良いのです。
それまでは、姉兄で交代で遊びに行って元気な顔を見せたり、電話で近況を尋ねたりして、いつも声を聞かせてあげることが大切です。
【月刊「すこ~れ」 213号 〔すこ~れ相談室〕より】