親の顔色をうかがう娘
高校進学が危ぶまれる次男
【お悩み】:わが家は夫と私、高校2年と中学3年の息子の4人家族です。
夫はサラリーマンで、私は週3回パートに出ています。
中学3年の次男の事でご相談します。
次男は、兄と比べると、赤ちゃんの時から発達が遅い子でした。
近くに住む姑から、病院で検査した方が良いのではないかと言われたこともあります。
歩いたのも遅かったですし、言葉も一歳半になってやっとでした。
私は発達段階の個人差と思っていたのですが、姑は気になっていたようです。
そのせいかどうか、何かにつけて、次男に対して「頭が悪い」と言うのです。
小学校に行くようになっても、それが続きました。
姑から言われたくない私は、学校から帰るのを待って、予習・復習をさせました。
その結果、教科書を開くと頭が痛くなるほどの勉強嫌いになってしまいました。
成績表はいつも1と2の行進。
手先が器用ですので、唯一、美術だけは5です。
中学に入った時から、「高校には行かない。僕は職人になる」と言っていましたので、成績には目をつむっていました。
ところが3年生になって、自分以外は皆、進学すると知ったからでしょうか。
「高校に行きたい」と言い出しました。
担任に相談しましたら、「この成績では、公私立を問わず、どの高校も無理」と言われてしまいました。
次男は本気のようで、小学校の算数からやり直したいから、個人指導の塾に行かせて欲しいと言います。
費用のこともあり、どうしたら良いか迷っています。
【アドバイス】:子どもを信じ、バックアップを
子どもにとって、受験は人生の大きなハードルですから、それを見守る親の思いは良く分かります。
高校進学は無理と言われると不安にもなるでしょうが、結果がどう出るかは、誰にも分かりません。
受験まで、まだ半年以上あります。
目標に向かって、どのような取り組みをするかが大切なのです。
小学校の内容までに遡って勉強しようとする姿は、素晴らしいではありませんか。
本気になっている今をそのまま受け入れ、「出来る限りのバックアップをするから、頑張るように」と伝えましょう。
子どもの資質を見出し、素直に伸びるよう、添え木になるのが親の役目の一つです。
伸び始めた茎が、途中で枝分かれすることでもあります。
客観的に見てマイナス方向でなければ、伸びたがる方向に伸ばすことが、花を咲かせ、実を結ばせることになります。
その力を信じ、褒め、励ましてください。
親の愛情は子どもにエネルギーを与え、やる気と自信を育てます。
やった事が成果として実らなかったとしても、真剣に向き合った分だけ、次のステップへの大きな力となることは間違いありません。
能力が、学歴で計られる時代ではなくなりました。
性格が良く、好かれる人柄であれば、良い出会いによって、思わぬ展開がひらけることもあります。
人生はマラソンレースです。何事にも前向きに取り組む意欲があり、行く手に光を見て進むことができれば、道は必ず開けます。
【月刊「すこ~れ」 254号 〔すこ~れ相談室〕より】