共働きに理解ない夫
ひとり暮らし、年金だけでは不安です
【お悩み】:私は七十二歳の主婦です。夫は十六年前に他界し、それ以来一人暮らしです。
お陰さまで三十年前に購入した土地六十四坪、住まい三十五坪は私が相続しています。生活費は、遺族年金と私の年金でやっと生活している状態で、他の人のように老後を楽しむ余裕など全然ありません。貯金も少なく、病気になったらどうしよう、住まいの修理はどうしようなどと考えると毎日が心配です。
また、普段から腰が悪く、近所のスーパーへの買い物にも不自由しています。そのため大きい物や衣類などは通信販売をよく利用しますが、好みやサイズが合わなかったり、カタログと実物が違うものなどがあります。
先日購入した商品は期待はずれで、返品したくても受けてもらえずに困っています。どのようにしたら良いのか相談する相手もいません。何か方法があるようでしたら教えて頂きたく、よろしくお願い致します。
【アドバイス】:不動産の有効活用から始めましょう
ご主人を亡くされ、お一人でよく頑張ってこられましたね。お一人では事あるごとに不安と心配がつきまとうものですが、とくに日々の生活と病気が心配です。幸いに不動産があなたの所有ですから、有効活用を考えましょう。
ひとつに「リバースモーゲージ(住宅担保年金)制度」があります。不動産を担保にして銀行や自治体に借り入れ枠を設定し、融資を受ける制度です。方法として、あなたが安心して毎月暮らせる年金+アルファの部分を月々借り入れしたり、生活に必要な資金を一括で借りいれたりできるものです。利息も含めて貸し出す方法もあります。
詳細は取り扱い金融機関でご相談すると良いと思いますが、要は所有の不動産を売却処分することなく老後の生活の為の資金を準備できるというものです。ご自身が亡くなった後に不動産の処分をして返済することなどができますので、その分気持ちに余裕が出るのではないでしょうか。
あるいはケアハウスなどに住み替え、自宅を賃貸にして収入を入居費にあてる方法もあります。詳しくは金融機関、自治体の社会福祉協議会に相談をしてみたらよいでしょう。
通信販売は、自宅にいながらにして、買い物ができるので便利ですが、カタログの情報だけで購入するのでトラブルが生じるものです。通信販売には「クーリング・オフ制度」は適用されません。ですから返品できるかどうかを表示することが義務付けられています。
「未開封の物に限り一ヵ月以内返品可」「汚損、破損の場合は責任もって交換します」「一度ご使用になった商品の返品はできません」などです。通信販売を利用する時には商品を慎重に選び、衝動買いをせず、必要かどうかもう一日考えること、トラブルに備えてカタログ、広告などは保存しておくことが大切です。
不自由なお体での買い物は大変かと思いますが、手に取り見て、触れて、確かめて、必要な物だけを購入する知恵を持つことが賢明ではないでしょうか。
内にこもっていては気が滅入るばかりです。手芸、絵画、詩歌などのサークル活動や、あなたにできる範囲でのボランティア活動など、思い切って表に飛び出してみませんか。
ひとつの目標や希望を持つことで「張り合い」がでるものです。
【月刊「すこ~れ」 321号 〔すこ~れ相談室〕より】