実家に預けたあとオムツに戻ってしまった3歳の子供
高1の二男の進路が揺らいでいる
【お悩み】:夫は五十四歳の公務員、長男は大学四年生、二男は高校一年生の四人家族です。
長男は国立T大学の卒業を目前に、父親と同じ公務員を目指して頑張っています。二男は、長男と同じ私立K中学、K高校と進学しました。そして大学も、父親や長男と同じT大学を目指していました。
ところが最近になって「留学したい」とか「それがダメならK大学に行きたい」などと言い出しました。いままで勉強の虫であまり出歩かなかった二男の外出が多くなり、私との会話も減りました。夫とはほとんど口を利きません。中学の頃までは仲のよかった長男とも距離を置くようになりました。
二学期になって成績も下がり、勉強意欲を失った二男の今後が心配でなりません。
(東京都立川市 U子)
【アドバイス】:母親として、息子さんのことを心配して悩まれる辛いお気持ちはよくわかります。
高校生になるまでは親の指示通りに育ってきたのに、突然自分を主張し、親に反発してくるなんて、ご長男にはこのようなことがなかっただけに、さぞ驚かれたことでしょう。
でも、心配には及びません。「子供は親の思い通りには育たない」と言われるように、この年頃の思春期の子供にはよく見られる成長過程のひとつです。つまり、自立心が育ってきたということです。
親が教育熱心なあまり子供に過剰な愛情をかけ、精神的な自立心まで阻むケースが多い中、親やきょうだいに反発し、自分のやりたいことを素直に話してくれる息子さんは、正常に育っているといえるのではないでしょうか。
少し気になるのは、あなたは日頃から長男と二男とを比較対照するようなことをおっしゃっているのではないか? ということです。このような親の行為は、子供のプライドを傷つきかねません。二男を一個の人格として尊重し、過度の期待をやめて、彼の人生の選択は本人に任せることです。
ご主人も長男も同じT大学だからといって、二男も同じレールに乗せようとあせらないことです。
これからは社会性を身につけていくためにも、息子さんと父親がコミュニケーションをとることが重要です。あなたは母親として、双方のかけはしとなるような配慮をしてください。そして、ご自分の関心をもっと社会的に有意義なことに切り換え、自分の人生に主体性を持った生き方を心がけてください。
【月刊「すこ~れ」 323号 〔すこ~れ相談室〕より】