金遣いが荒い夫
一人暮らしに半年で挫折した長男
【お悩み】:私たち夫婦には長男と二男、二人の息子がいます。
今日のご相談は、大学生の長男のことです。
小さい時から元気いっぱいだった長男は、大学に合格した時、「親元を離れて東京へ行きたい」「ひとり暮らしをしたい」と申し出ました。
自宅から通えない距離ではないし、今まで自炊などしたことがないので夫も私も少し心配しましたが、本人の強い意志もあり、快く送り出すことにしました。
しかし、四月に入学し、はじめての大学生活やひとり暮らしになじめないところがあったらしく、十二月には実家に帰りたいと言い始めました。
あれほど勉強もひとり暮らしも頑張りたいと張り切って巣立っていった長男が、わずか八ヵ月で挫折し、弱音を吐くなんてショックです。
この先、長男に対してどのような言葉をかけてやったらよいのか、
また親としてどのような姿勢で接していったら良いのかアドバイスをお願いいたします。
【アドバイス】:新生活への希望を胸に新たな世界へ飛び立ったものの、思いもよらぬことが起きてしまいましたね。
お話をうかがいますと、今まで活発な性格だった息子さんだけに、まさかという思いで驚かれたでしょう。
東京は田舎とは違い、人はたくさんいますが実際暮らすには寂しすぎたのでしょう。
そのような都会独特の空気が好きな人には快適な暮らしも、田舎でたくさんの温かい人に囲まれて育った息子さんには耐えられない毎日だったのではないでしょうか。
本人もいざ生活を始めるまではそれが分からず、アパートに入居して大学生活を有意義に過ごす日々を想像されていたことでしょう。
今回のように、理想と現実がかけ離れていたと後になって気づくことは誰にでもよくあることです。
ご主人も息子さんの帰宅を望んでおられますし、十二月の冬休みになったら思い切ってアパートを引き払い、三学期は自宅からの通学にさせてあげてはいかがでしょうか。
息子さんは、ひとり暮らしに挫折した自分の気持ちに両親が共感してくれたと感謝し、喜ぶと思います。
私たちの一生にはいろいろなことが起きますが、たとえ起きたことがマイナスでも、そのマイナスをなんとかしなくてはいけませんから、一生懸命考えます。
すると、たくさんの人の助けを借りることになります。
息子さんは一人暮らしを体験し、良くも悪くもいろいろな体験をされ、一回りも二周りも大きくなって帰ってくることでしょう。
それは、これからの長い人生できっと役立つはずです。
どうぞこれからも、ご夫婦で息子さんの成長を見守ってあげてください。
【月刊「すこ~れ」 325号 〔すこ~れ相談室〕より】