2016.03.03 生活アドバイス | 子育ての悩み

わが子の長所は何? ~小川健次の子育てセミナー⑫~

松下幸之助翁から学ぶ“美点凝視”の子育て

           ・・・苫小牧民報/千歳民報 2016年3月3日(木)掲載

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松下幸之助翁から学ぶ“美点凝視”の子育て

「人生で成功して、社会的な評価を得るためには、学問は関係ない。幼稚園で習ったことを、キチンとできるかどうかにある」

これは“経営の神様”と言われた松下幸之助翁が語られた子育ての秘訣の一つです。

つまり、人に呼ばれたら「ハイ」と返事をするなどの日常の挨拶、物を使った後の片付け、列に並んで順番を待つ、人が遊んでいる物を横取りしない…など、人として守るべき基本を、子どもが小さいときから家庭でしっかり身につけさせることの大切さを述べられています。

“最近の子どもは礼儀(マナー)を知らない”“最近の若者は、言葉遣いがなっていない”などの苦情は、いつの時代も言われてきました。しかし、“子は親の鏡”と言うように、子どもは親の姿を見て育つものです。

旅行先のホテルのトイレやカルチャーセンターの入口における、散乱したスリッパやクツの状態は、目に余るものがあります。子どもを自立させるために必要な“しつけ”の要は、よい習慣づけです。今からでも親自身が生活の中で、よい習慣を身につけることが大切なのです。

 

わが子の長所は何?

“山下16段飛び”と言われた大抜擢で、松下幸之助翁の後継者に指名された山下俊彦氏は、松下翁の人を動かす秘訣を問われて、「“美点凝視”であった。人の短所を見ずに、長所だけを見て人を使う達人でした」と答えています。

わが子の長所は何か? 親はわが子の長所を見抜く眼力(がんりき)が求められます。そのためにできる簡単なことは、マンガの好きな子にはマンガの本を与え、動物の好きな子には図鑑を買い与え、動物園に連れて行くことです。何か一つ集中できる好きなことをして、伸びるキッカケをつかむと、それが自信となって苦手なことにもチャレンジし、他の面でも相乗効果を及ぼすのです。

わが子の長所や美点に気づくためには、興味やヤル気があって、熱中しているものは何かを、常日頃からよく観察すること。それを親が認めて、さり気なくほめて育てることです。

 

小川健次(おがわ・けんじ)
1952年、常呂郡留辺蘂(るべしべ)町(現北見市)生まれ。68年から22年間、苫小牧に在住し、製紙機械の組み立て・修理や電気工事などに従事した。現在、神奈川県相模原市に本部を置く公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会の理事・教育開発局長。生涯学習プログラムの開発、講師、カウンセラーなどを務める。子どもは社会人の一男(31歳)、二女(29歳と26歳)。