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2017.05.30

若夫婦に店を譲ったが

【お悩み】: 私は20年前に夫を亡くし、その後、お茶を商う老舗を切り盛りしてきました。
今年、私は66歳を迎え、将来を考えて、同居している長男夫婦に店の経営を任せました。

悠々自適の老後に入る予定だったのですが、最近、長男夫婦の私への態度が気に入らず、寝つけなくなっています。
そんな私を心配して、嫁いだ3人の娘たちが交代で話し相手をしに訪ねてきます。

一方、長男夫婦は私のことを気にもかけず、情けないものがあります。
長男は現在35歳で、3人の姉の下で育ち、気がやさしく、おとなしい性格です。

そこで「店を継ぐ長男の嫁は頼りになる人がよい」と考え、私の眼鏡にかなった明るく積極的な人と見合いをさせ、双方が気に入って結婚しました。

そして約10年間、私を中心に長男夫婦が協力して店を盛り立ててきました。

私は長男を中心に経営していくことを願っていたのですが、どうしても嫁の尻に敷かれている状態です。
店のリフォームや大事な取引先とのお付き合いも、私になんの相談もなしに2人だけで進めており、腹が立って仕方ありません。

これまで一生懸命働いてきたのに、のけ者扱いされて我慢ができません。

この先、お店を乗っ取られるのではないか、と思うと、毎日、気が休まりません。
どのように対応すればよいのでしょうか?

              

【アドバイス】: これからが第2の人生

ご主人を亡くされた後の20年間、お店を経営しながら、3人の娘さんを嫁がせ、長男夫婦に後を継がせるまで、大変なご苦労をされたことと察します。

お店の経営をちょうど良い時期に譲られたと思いますが、あなたの気持ちの切り換えがうまく行かず、まだまだ店主のままなのです。

お宅のお嫁さんがお店を取り仕切っていることが不満のようですが、性格的に頼りないご長男に不安を抱いて、あなたの眼鏡にかなった人を選んだのです。

実は、あなたが望んでいた通りの展開になっているのです。
2人とも、あなたをないがしろにしているのではなく、今は経営を任された緊張感もあり、ゆとりがないのでしょう。

世代が違えば商売に対する考え方もやり方も異なってきます。
若い夫婦が相談しながら、新しい時代を切り開いていくのですから、人生や経営の先輩として、温かく見守ってあげることが大切です。
若い2人ですから、商売に行き詰まって相談される機会もあるでしょう。

その時、あなたの経験を話し、アドバイスをしてあげればよいのです。
子どもが親から離れて自立していくことは、親にとっても頼もしく、一面、寂しいことでもあります。
それが、老後への不安の原因にもなっているのです。

あなたはまだ若いのですから、これからは充実した老後に向けて、社会や人のために生きる「第二の人生」を築くことを目標に取り組むことです。
今、まさに円熟した、生涯で最も恵まれた時期を迎えているのです。

【月刊「すこ~れ」 214号 〔すこ~れ相談室〕より】